旧動燃の不当差別告発 元職員支援のシンポ 7月提訴へ 茨城
高速増殖炉「もんじゅ」を持つ日本原子力研究開発機構の前身、旧動力炉・核燃料開発事業団(動燃)の職場で、原子力の安全にモノ言う労働者が嫌がらせや差別を受けた「旧動燃不当差別事件」を支援するシンポジウムが5月30日、茨城県東海村で行われ、約90人が参加しました。
原研労組(日本原子力研究開発機構労働組合)の主催。
旧動燃では、経営陣が警察や労使協調を主張する「良識派」の職員と結託し、組合との関わりや交友関係で、職員を色分け。
職員を「A」「B」「C」で判定し、“危険視”した職員を「ぶん回し」(配置転換)や「封じ込め」(職場での孤立化)など、差別してきたことが内部資料で判明しています。
差別を受けてきた原研労組組合員で元職員4人が、人事差別により賃金の差額分と慰謝料の支払いを求めて、7月上旬に水戸地裁に訴えを起こす予定です。
花島進委員長は、「この争議は、人権侵害の是正を求めるとともに、批判を抑圧して間違った方向に進んだ原子力開発を告発するものだ」と強調しました。
シンポでは4人の原告予定者が発言。
29年間、人形峠に配転された61才の男性は、「上司に『一筆書け』と言われ続けた。人生の半分を差別されたのは屈辱だ」、60才の男性は、「良心に従い、問題を指摘してきた。それなのに、いわれなき差別を受け、原子力の安全神話は崩壊した。その責任はどこにあるのか、問いたい」と訴えました。
安斎育郎立命館大学名誉教授が「自由の抑圧と安全確保は両立しない」と題して講演しました。
(「しんぶん赤旗」 2015年5月31日付より転載)