放射能れんが追跡を 住民が学習会 茨城・笠間
茨城県笠間市で5月31日、昨年10月に市内の採石場に運ばれた放射能れんが問題について、NPO法人原子力資料情報室の松久保肇・事務局長を迎えた講演会が開かれました。
地元住民らでつくる実行委員会が開催し、会場いっぱいの130人が参加。市の環境政策課から4人、議会からは畑岡洋二議長と日本共産党の石井栄市議が参加しました。

松久保氏(中央奥)の講演を熱心に聞く参加者ら=5月31日、茨城県笠間市
松久保氏は、住民が不安を抱えている放射能れんがについて、測定値(337ベクレルと0.45マイクロシーベルト)を考慮すると、「福島県の除染作業や福島第1原発事故による放射性物質に汚染されたれんがの可能性が高い」と説明しました。
過去にウランを採掘していた岡山県と鳥取県の県境にある人形峠製のれんがの可能性も否定できないと指摘。2008~11年に人形峠製れんがは112万個製造され、民間に販売しましたがほとんど売れず、うち県内の原子力施設に92万個が搬入されたことを示しました。
松久保氏は、「市は住民の安全安心を守る観点から、住民を交えて調査を進めるべきだったし、意見交換をするべきだった。今からでもきちんと対応してほしい」と強調しました。
参加者からの質問や意見では、放射能れんがについて、「せめてどこから来て、どこに行ったのかは明らかにしてほしい。行政、市の責任として追跡して市民に知らせてほしい」と訴えがありました。
(「しんぶん赤旗」2025年6月3日付より転載)