職員パワハラ訴え自死 茨城県 関係者が遺書公表
茨城県庁の秘書課職員が2024年10月20日、副知事によるパワーハラスメントを訴える遺書を残して自死していたことが、5月30日までにわかりました。関係者が公表した遺書(24年10月15日付)には、「あの副知事の下で仕事するのは限界、うんざりだ」、「絶望から始まる毎日」、「今まで経験したことのない数の叱責、非難の言葉を受けてきた」とつらく苦しい思いがつづられていました。

自死した職員の関係者が提供した報告書の付言の内容(開示請求で県が公表した文書は黒塗りになっていました)
県が遺族の意向により調査を進めた第三者委員会(根本信義委員長=弁護士、24年11月26日~25年2月7日、計10回実施)について、県が今年2月12日に公表したA4判2ページの報告書の概要では、「パワハラも過重労働もなかった」と結論。県は、飯塚博之副知事らの処分(大井川和彦知事からの厳重注意)についても同日公表していました。遺族には2月7日に、調査委員会が面談で結果を報告しています。
職員の遺書には、「対応できる限度を超える範囲、程度にまで要求が及んでおり、それをことさら強硬に完ぺきを求められても応えきれない、限界がある。しかしかまわず血相を変えて、痛烈に、執ように穴をついてくる。人格を否定されるような言葉も飛ぶ。これこそ一般的にパワハラと呼べるものと思う」と記されていました。
一方、関係者が提供した調査委員会の報告書では、付言で「副知事の言動に全く問題がなかったというわけでもない」と記述。業務報告や日程調整について副知事から何度もダメ出しをされたことが、「副知事が考える完璧な職務を遂行できないので、日々の仕事のゴールが見えず、慢性的な不安を抱えるに至ったであろうことは容易に想像できる」として、副知事の対応が職員への精神的な圧力になっていたことを認め、労をねぎらう言葉などがあれば「精神的負担は軽かったのではないかと推測される」と問題点を指摘していました。
【悩み相談の窓口】
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その他の相談窓口や詳細は厚生労働省の自殺対策のウェブサイトに紹介されています。
(「しんぶん赤旗」2025年5月31日付より転載)