県議選取手市区 7人で3議席を争う多数激戦の様相 16年ぶり議席奪還に挑戦 上野たかし氏
茨城県議選取手市区(定数3、取手市・利根町)では、新人の上野たかし氏(50)が16年ぶりの日本共産党の議席奪還をめざします。
選挙戦は自民1、無所属2の現職3人と共産1、無所属3の計7人で3議席を争う多数激戦となる見込みです。
しかし、共産党の上野氏以外は、大型開発優先で福祉に冷たい現県政を支える「オール与党」の予定候補者です。
上野氏は、「人の役に立つことが自分の幸せ」と18歳で入党を決意。
大学卒業後、取手市の無認可保育園で働き、2006年に取手市区の地元、共産党南部地区委員会の責任者に。
以来8年間、平和で住みやすい街づくりに力を尽くしてきました。
若者を気遣い 震災支援にも
「いま一番胸が痛むのは、かつての園児たちが『ブラック』な働き方を強いられ、集団的自衛権の行使容認や原発再稼働、消費税増税などで平和で安全な生活を脅かされていること。安倍政権の暴走と対決し、若者が夢や希望を持てる日本へと流れを変えるため、県政へ送ってほしい」と上野氏。
上野氏が勤めた保育園・学童保育所に通っていた男性(35)は、「いつも誰にでも分け隔てなく、親身になって話を聞いてくれる。上野さんなら、県民の願いに応える県政をつくると信頼できます」と話します。
毎週金曜日の原発ゼロを求める取手駅前での行動に参加し、東日本大震災後、福島県いわき市には8回足を運んでボランティア活動に取り組みました。
東海第2原発 廃炉を掲げて
上野氏は、県政の問題では、▽東海第2原発の廃炉▽全国8位の財政力を活用して、国保税の1世帯あたり1万円引き下げと高校卒業までの医療費無料化などで命とくらし第一に転換▽赤字寸前の県営取手競輪を廃止して市民の願いにそった活用─などを公約に掲げます。
取手駅前での金曜日行動に参加する男性(55)は、「取手市は放射線量が高い。小学生、中学生の子どもがいるので心配。地震も多いから、東海第2原発に何かあったらと不安です。廃炉しかない」と話し、上野氏に期待を寄せます。
他の予定候補はいずれも、安倍政権の暴走にストップをかけ、県民の暮らし第一へと転換する姿勢は見られません。
現職の3人は、いずれも県予算に全て賛成の「オール与党」です。
県内の原子力施設の縮小を求める県民の願いに反して、東海第2原発の再稼働にもつながる「県核燃料等取扱税条例」にも賛成。
県民から出された、子どもの医療費無料化を高校卒業まで引き上げ、高校授業料無償化、給付制奨学金制度創設を求める請願に反対し、不採択にしました。
告示日が迫るなか、各予定候補の動きは激しくなっています。
自民党は業界・団体を締めつけ、予定候補者の訪問と集落ごとに50~100人規模の集会を行う組織戦を展開。
これまでの主張を翻し、にわかに東海第2原発の再稼働反対を表明する予定候補も複数現れ、票集めに必死です。
解散・総選挙とのダブル選挙となるなか、上野陣営は「安倍政権を追い込む一翼。語れば共感と支持が広がる情勢」と位置付けています。
党支部、後援会などで告示までに毎日100回の街頭宣伝、100人以上への対話・支持拡大に全力をあげています。
略歴
日本大学経済学部第二部卒業。
茨城県取手とねっこ共同保育園職員。
日本共産党茨城県常任委員、党茨城県青年学生部長、党南部地区委員長
(「しんぶん赤旗」首都圏版 2014年11月21日付より転載)