救急搬送に料金徴収 2週間で145件 患者負担に党県議ら聞き取り 茨城

茨城県(大井川和彦知事)は、昨年7月26日に記者会見で突如発表し、「緊急性のない救急車利用」患者へ1,100~1万3200円の選定療養費徴収を12月2日から始めました。開始までの周知期間が約2カ月と短く、高齢者や子育て世代、介護をしている家族などからは不安の声が上がっています。

県の担当者の説明を聞く参加者

県の担当者の説明を聞く参加者=1月28日、茨城県庁

日本共産党の江尻加那県議は1月28日、月1回の検証を行っていくとしていた保健医療部への聞き取りを行いました。地方議員や医療・介護関係者、医療労働組合、新日本婦人の会県本部など20人が参加しました。

県は資料を示し、12月2日~15日の開始2週間の状況で、対象の22カ所の大病院の救急搬送件数3,167件のうち145件(4.6%)が徴収され、県全体で救急搬送件数は対前年同期比91.9%で「前年比で8.1%減少した」と説明しました。

参加した医療関係者は、「大病院への集中が軽減すれば、この制度はなくなる見通しか」と問い、県は「現時点ではその議論はない」と回答。「中小病院の医療体制を拡充して、救急を受け入れられるようにすれば、制度は必要ないのではないか」との質問に「その通りです」と答えました。

聞き取り後の意見交換で、新婦人から「県が検証するのは、病院に行った人だけ。呼べなかった人やつらい思いをした人の声はどう検証するのか」として、「地域の声を私たちが受け止めて県に届けていかなければ」と語りました。

検証結果について、県は2月にとりまとめ、国に報告するとしていましたが、聞き取りでは「3月下旬に公表予定」と答えました。

江尻県議は、「中小病院や休日・夜間などでの救急受け入れを増やせるよう県が支援するべきだ」と強調しました。

(「しんぶん赤旗」2025年1月31日付より転載)

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