床に複数の黒い粒子 機構が被ばく後写真公開
日本原子力研究開発機構大洗研究開発センター(茨城県大洗町)の被ばく事故で、原子力機構は6月9日、事故後の現場写真を初めて公開しました。
核燃料物質が入ったステンレス製容器が置かれた作業台(フード)周辺の床面に、複数の黒い粒子が落ちていることがわかりました。原子力機構は「破裂した時に出た粒子ではないか」と説明し、放射性物質の可能性があると説明しました。
原子力機構によると、事故翌日の6月7日に事故が起きた燃料研究棟108号室内の汚染状況を調査。床面14ヵ所を拭き取って測定したところ、室内全体が汚染され、最大1平方センチあたり55ベクレルの放射性物質が検出されました。
事故は6月6日午前11時15分ごろ発生。50代の男性職員が、点検のためにウランとプルトニウムの酸化物などが入った金属製容器のふたを開けたところ、容器内のビニール袋が破裂。核燃料物質が飛散し、作業員が被ばくしました。
原子力機構によると、5人は事故発生から3時間、室内で待機していました。室外での除染や検査をする作業スペースを設置するためだったとし、「予定していなかった。準備に時間がかかった」と説明しています。また、室内を継続監視するカメラがありましたが、事故時の録画はないと説明しました。
燃料研究棟内に同様の容器は80個あり、2月から31個点検。それまでと違う種類の核燃料物質が入った容器を点検して事故が発生しました。同じ種類の容器は20個残っているといいます。
(「しんぶん赤旗」2017年6月11日付より転載)