父の心壊した戦争 「平和のつどい」で家族語る 茨城・牛久

「平和のつどい牛久2025」(平和のつどい牛久実行委員会主催)が8月16日、茨城県牛久市で行われ、「PTSDの日本兵家族会・寄り添う市民の会」代表の黒井秋夫氏が、「PTSDの日本兵家族が語る平和への想い─戦争が父の心を壊した」と題して講演し、52人が参加しました。

黒井氏は、東京都武蔵村山市在住で76歳。10年前にアメリカの元兵士アレン・ネルソン氏のドキュメンタリーを見たことを契機に、戦争による心的外傷後ストレス障害(PTSD)に苦しんだ父の人生と向き合い続けています。2020年5月には、自宅敷地内に「PTSDの日本兵と家族の交流館」を建立し、同じ経験を持つ人たちが語り合う場となっています。

黒井氏は、「なぜ兵士は心を壊したのか」、日本政府に実態調査を求めています。「戦争は人殺し。兵隊内での軍隊の暴力もあった。このような苦しみは、父の苦しみであり、私たち家族の苦しみでもある。戦争が引き起こした苦しみは断ち切らないといけない」と強調。体の負傷と同じように、心を壊した傷痍軍人の実態調査を国に求めています。

黒井氏は、「どうしたら戦争のない国になるのか。自分の生き方として考えてほしい。私は『NO WAR─戦争はしません。白旗を掲げましょう。話し合い和解しましょう』を高く掲げて、これからもアジアや世界に発信し、活動を進めていきたい」と語りました。

(「しんぶん赤旗」2025年8月18日付より転載)

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