東海第2原発 廃炉に 茨城 市民・議員がシンポ
日本原電東海第2原発を抱える茨城県東海村で、「東海第2廃炉にGO!」と題した市民と自治体議員によるシンポジウムが8月25日から26日にわたって開かれ、1日目は県内外から160人が参加しました。
シンポジウムでは10氏が発言。
このうち結城市の男性は、市議会が(1)東海第2原発の廃炉を求める意見書(2)電力事業者における総括原価方式の廃止を求める意見書(3)原発から再生可能エネルギーの推進へ政策の転換を求める意見書-の三つを可決するまでの経過を紹介し、請願署名運動の大切さを強調しました。
地元東海村に住む女性は、「村上達也村長の『脱原発』宣言に心強さを感じた」と述べたうえで、福島第1原発の事故が起こるまで原発問題がタブー視され、ほとんど議論もされなかったと指摘。
今後の取り組みとして、「原発推進派議員とも対話をしていきたい」と語りました。
ほかの発言者からも、「福島第1原発事故は『自分のエリアの問題だ』と位置づけて市議会に東海第2原発の廃炉を求める陳情書を提出した」「署名運動は請願採択の大きな力だ」「原発は廃炉にして安心して暮らせるようにしたい」などの訴えがありました。
“原発さえなければ” シンポ 福島避難住民が訴え(8月28日)
2日目の26日には、福島第1原発事故で福島県から茨城県内に避難している住民が報告しました。
浪江町から東海村に避難している女性(82)は、大震災当日の模様や避難先を転々とさせられたことなどをリアルに語り、「放射能と津波で町は全滅状態。一時帰宅した際、町はシーンと静まり返っていて不気味だった。原発さえなければこんな苦しみを味わうことはなかった。原発は廃止に」と切々と訴えました。
富岡町から水戸市に避難している女性(58)は、「原発事故で私は家をあきらめたので、政治家も原発をあきらめてほしい。電力会社の幹部は許せないし、民主党に献金している電力労組も問違っている」と批判。
「事故の収束作業に従事している息子は『オレたちが収束させなければ誰がやるんだ』という思いで仕事をしている」と話しました。
東海第2原発運転差し止め訴訟原告団共同代表の大石光伸氏は、「国が国民を守ってくれない以上、裁判を通して社会のあり方を問い直さなければならない」と裁判の意義を強調しました。
(「しんぶん赤旗」首都圏版 2012年8月26日・28日付より転載)