軍事研究の危険議論 研究者ら交流集会 茨城・つくば

加速している軍事研究と研究者の社会的責任をテーマに、国立試験研究機関の研究者・職員の全国交流集会が6月17日、茨城県つくば市で開かれました。
約90人が集まり、忍び寄る軍事研究の問題点について議論しました。
赤井純治・新潟大学名誉教授が講演。
昨年度始まった大学・研究機関への防衛省の研究委託制度の予算が今年度は6億円に倍増し、さらに自民党国防部会が100億円への拡充を求めていることについて、「大学・研究所の研究者を、一挙に軍事にからめとってしまおうという動きだ」と批判しました。
新潟大で昨年、科学者行動指針に「軍事への寄与を目的とする研究を行わない」と新たに書き込んだ意義を強調。
軍事研究は、安倍政権暴走の“大学版”であり、研究者だけでなく社会全体の問題だと述べ、市民との連携で政治を変えようと呼びかけました。
増田善信・元気象研究所室長は、太平洋戦争開戦の日から気象電報が暗号化され、新聞から天気予報が消えたときの実体験を紹介し、「科学が戦争に使われたら、すべてマヒする」と警告しました。
ジャーナリストの志葉玲さんは、無人攻撃機で死傷した子どもなど、映像を交えて戦場の悲惨な実態を告発し、「心ある研究者は憲法に従って研究してほしい」と訴えました。
安保法制反対の運動をしている常総市のアルバイト男性(27)は、「技術は使い方によって生かすことも殺すこともあると、市民も知る必要がある。情報発信したい」と話しました。
主催は筑波研究学園都市研究機関労働組合協議会(学研労協)、日本国家公務員労働組合連合会(国公労連) などによる実行委員会。
(「しんぶん赤旗」 2016年6月18日付より転載)

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