問われる東海第2原発 共産党、廃炉を主張 自民「再稼働」 民主「安全審査の支援を」
東日本大震災で、茨城県内も激しい揺れと津波に襲われ、甚大な被害を受けました。
被災した住宅は全・半壊、一部損壊を含めて21万棟を超えました。
東海村の東海第2原発も津波を受け、過酷事故の寸前でした。
12月5日告示(14日投票)の県議選で、各党が大震災の復旧・復興や東海第2原発にどういう態度をとってきたのかが問われています。
代表質問や一般質問の議事録をみてみました。
知事に転換迫る
日本共産党は、「全壊、半壊、一部損壊を含めて国に拡充を求めるとともに、一部損壊に本県独自の支援策が必要。被災した中小業者への支援を要望する」(2011年9月)と主張。
「常陸那珂港などに、どんなに税金を投入しても産業振興につながる保証はない」(2011年9月)と知事に政策転換を迫りました。
ところが自民党議員は、「岸壁やふ頭が損傷し、企業誘致に痛手となってしまう。企業の要望をうかがいながら、港湾を前倒しで利用できるように」(2011年6月)と力説。
民主党議員も、「港湾は本県の経済発展の基盤。経済効果や雇用確保の観点から早期復旧を強く願う」(2011年9月)と述べ、自民、民主の両党とも被災した県民への支援よりも、企業誘致や港湾の復旧を優先させました。
住民の願いに背
30キロ圏内におよそ100万人が住む東海第2原発について、知事に30万人から廃炉を求める署名が提出されています。
日本共産党は、「危険な老朽原発の延命措置は認めるわけにはいかない」(2011年9月)と一貫して廃炉を主張。再生可能エネルギーへの転換を強く求めています。
自民党は、「電力不足や関連企業の雇用や地元に与える影響も大きい。ぜひとも再稼働してもらいたいと考えている」(2011年6月)、「国にたいして、明確な安全基準を策定し、安心して原発が運転再開できるように強く要請すべきだ」(2011年9月)などという質問も飛び出しました。
東京電力出身の民主党議員は、「原子力発電が県勢発展に寄与した事実を踏まえ、安全審査に向けて県として支援を」(2013年10月)などと求め、電力会社などの“原子力ムラ”の忠実な代理人として振る舞っています。
公明党も、「日本原電の原発3基を廃炉にすると、資産の目減りや投資費用の回収ができなくなる。債務保証をする電力会社の経営を脅かす懸念がある。廃炉は国の判断を仰がなければならない」(2014年9月)と述べ、これまた“原子力ムラ”の権益と利益を最優先させる考えと国まかせの姿勢を示しました。
(「しんぶん赤旗」首都圏版 2014年12月4日付より転載)