県議選水戸市区 自・民しぼり少数激戦 44年間の共産党議席必ず 江尻かな氏

各党が来春のいっせい地方選挙の前哨戦と位置づける茨城県議選(定数63)の告示日(12月5日)まで1カ月を切りました。
日本共産党は、江尻かな(41)=新=、鈴木さとし(69)=現=、山中たい子(63)=元=、上野たかし(50)=新=の4氏を予定。
消費税増税、「戦争する国づくり」、原発再稼働など安倍政権の暴走にストップをかけ、県政の流れを大型開発優先から県民の暮らし・福祉優先に変えるため議席倍増の4議席をめざします。
共産党の議席確保・獲得が大きな焦点となる4選挙区の様相を取材しました。


県都・水戸市区(水戸市・城里町、定数6=1減)は、共産党が1970年から44年間にわたり、党議席を守り抜いてきた選挙区です。
今回、水戸市議だった江尻かな氏(41)が大内久美子県議からバトンを引き継ぎ、定数1減のなか、共産党議席の絶対確保をめざします。
江尻氏は、「44年間守り通してきた共産党の議席は、みなさんの暮らしに身近な願いを県政にまっすぐ届け、大型開発優先で福祉切り捨ての無駄遣いをしっかり正す議席です」と訴えます。

福祉と子育て 充実へ転換を

江尻氏の街頭演説を聞いていた元養護学校教頭の男性(75)は、「障害児が増えているのに、特別支援学校が足りません。特別支援学校の増設などに熱心に取り組む県政にしてほしい」と話します。
2013年度に県が行った県政世論調査では、県民の要望として、水戸市を含む県央地域でトップの高齢者福祉(38.4%)に次いで、3人に1人が子育て支援(34.6%)をあげています。
3人の子育てをしながら12年間、水戸市議として活動してきた江尻氏。
母親の「働きたいけど、子どもが保育所に入れない。待機児の多い水戸市で産んだ私が悪かったのか」などの悲痛な声にこたえようと、12年間で13カ所の保育所増設に力を尽くしてきました。
江尻氏は、不要不急の大型開発優先の現県政のもとで、財政力は全国8位でありながら、県予算に占める福祉など民生費の割合は13.8%と、北関東4県で最低である実態を批判。
水戸市選挙区の自民、公明、民主の現職県議は福祉切り捨ての県予算に賛成してきたことを指摘。
県政の転換を訴え、認可保育所の増設で待機児ゼロをめざすことなど福祉の充実を公約しています。
江尻氏と保育園や学童クラブの活動に取り組んできた女性(38)は、「子育てママの声を直接聞いてくれ、議会で取り上げ、実現してくれたのが江尻さんです。遠いと思っていた市政がとても身近なものになりました。放射能の心配なく子どもたちが安心して生活できる茨城県、子育てをもっと支援してくれる茨城県にするために、ぜひ頑張ってほしい」と期待します。

東海第2原発 廃炉めざして

また、江尻氏は「原発のない茨城を子どもたちに」と、2012年7月から始まった東海第2原発の再稼働反対・廃炉を求める原電前の抗議行動にも積極的に参加し、公約にも廃炉や子どもの健康調査などを掲げています。
原電前抗議行動に参加しているドラム隊の女性(37)は、「江尻さんは忙しいなか5分、10分でもと時間をつくり参加してくださっています。県知事は、東海第2原発についてあやふやな態度をとり続けています。江尻さんには、大内県議を引き継いで知事に『東海第2原発廃炉』の決断を強く迫ってほしい」と話します。
水戸市選挙区は共産党のほか、自民、公明、民主、社民の各党が候補者擁立を予定し、6議席を7人で争う少数激戦となる見通しです。
自民は予定候補者を当初の4人から現職3人に絞り、公明も現職1人、民主も前回の2人から東京電力出身の現職1人に一本化し、県政与党の現有議席の確保を狙います。
社民は12年ぶりに前水戸市議を擁立し、「東海第2原発を止める」という公約を一枚看板に、無党派の人たちへの浸透に懸命です。
他党陣営は「江尻氏は大丈夫」「共産党は指定席」など、共産党支持者や前回大内県議を支持した保守・無党派の人たちの切り崩しを強めています。
江尻氏の事務所では、党員、後援会員に「だれが落ちてもおかしくない激戦で、各党・予定候補とも必死の取り組みをしている」と予断を許さない情勢を訴えて、全有権者規模の宣伝と対話・支持拡大の飛躍を勝ち取ろうと奮闘しています。
略歴
筑波大学芸術専門学群建築デザイン卒業。
建築設計事務所勤務。水戸市議(2003年4月から、現在3期目)。
水戸市立寿小学校前PTA会長、ひばり保育園父母の会前会長
(「しんぶん赤旗」首都圏版 2014年11月13日付より転載)

おすすめ