東海第2原発訴訟 尋問で原電、巨大地震動否定できず

日本原子力発電(原電)が再稼働を狙う東海第2原発(茨城県東海村)をめぐり12月19日、住民らが運転の差し止めを求めている裁判が水戸地裁(前田英子裁判長)でありました。
原告側の本人尋問では、石岡市で有機農業を営む魚住道郎さんが陳述。
福島原発事故でホウレンソウなどが放射能に汚染されたとし、「二度と事故を繰り返してはならないと子や孫に誓った。再稼働を容認すれば第二の福島になる」と述べました。
東海第2原発から約7キロ地点に住む谷田部裕子さんは、福島原発事故で「空気や水も放射能で汚れた。ショックで絶望した」と述べました。
前回に続き証人尋問が行われ、東海第2原発の基準地震動の策定にあたった原電の川里健氏は、原告側証人の野津厚氏が示した、東日本大震災で女川原発(宮城県)を襲った強い地震波(キラーパルス)が東海第2原発付近で発生すると、原電側の想定をはるかに超える地震動が発生するとした地震モデルについては、「(原電側のモデルと)かけ離れている」と述べました。
しかし、原電側の地震モデルが、女川原発の沖合で発生した地震波を「再現できていない部分もある」と認め、女川原発を襲った同様の揺れが茨城県沖で発生する可能性については否定できませんでした。
(「しんぶん赤旗」2019年12月20日付より転載)

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