県民本位へ県政転換 茨城県知事選 田中重博候補が第一声
茨城県知事選が8月22日告示(9月8日投票)され、「明るい民主県政をつくる会」の新人、田中しげひろ氏(66)=無所属、日本共産党推薦=と現職の橋本昌氏(67)=無所属、推薦政党なし=の2人が立候補しました。
知事選では、▽大型開発を優先し、県民のくらしを切り捨ててきた県政の継続か、税金の使い方を変えて県民本位の県政への転換か▽東海第2原発の再稼働を容認する県政か、廃炉をめざして県民の命を守る県政か▽国いいなりの県政か、安倍政権の暴走にストップをかける県政か─が問われます。
田中候補は、「橋本県政は5期20年、いったい何をしてきたのか」と問いかけ、港湾建設などの大型開発に巨額の血税を投入してきたことを批判。「県民のくらしが一番の県政に切り替え、東海第2原発は廃炉に」と気迫を込めて訴えました。
「明るい会」の谷萩陽一会長は、「茨城のくらしの指標は全国最低。20年間かかってやれなかった現職がこの先何年かかってもやれるはずがない。田中候補で民主県政を」とあいさつしました。
田村武夫・茨城大学名誉教授、日本共産党の紙智子参院議員、大内久美子県議らが次々に応援に立ちました。
水戸市の女性(64)は、「橋本県政は大型開発のムダ遣いばかり。田中さんを知事にして、住みよい茨城をつくりたい」と決意していました。
紙議員「くらし最優先に」
日本共産党の紙智子参院議員は8月22日、水戸市内で街頭演説し、田中しげひろ茨城県知事候補への支持をよびかけました。
「希望の持てる県政をつくる絶好のチャンスです」。こう切り出した紙氏は、大型開発を優先して医療・福祉を削ってきた5期20年の橋本県政から県民の命とくらし最優先の県政への転換を力説しました。
高濃度の汚染水が漏れ続けている福島第1原発事故や東海第2原発の現状に言及し、「田中知事の誕生で、原発ゼロのメッセージを全国に発信しましょう」と呼びかけました。
その上で、消費税増税、社会保障改悪、環太平洋連携協定(TPP)参加、改憲へと突き進む安倍内閣の危険性を指摘。「国にしっかりものが言える知事を誕生させましょう」とよびかけました。
福祉の切り捨て批判にこたえず 橋本知事
茨城県知事選で、現職の橋本昌候補(67)は告示日の8月22日、水戸市で開かれた出陣式であいさつしました。
橋本氏は、東日本大震災の復興の一環として企業誘致やインフラ整備に力を尽くしてきたと強調。不要不急の大型開発を推進する一方で、全国最低クラスの福祉・医療サービスを引き上げることなく、切り捨ててきたとの批判にはこたえませんでした。
原発の問題では、「私は原発を否定しない」と公言。原子力規制委員会が安全と判断し、地元の同意を得た原発は、再稼働すればよいという考えを表明しました。東海第2原発の再稼働については「採算の問題がある」と述べただけで、即時廃炉を求める考えは示しませんでした。
農業については、くらしを壊す環太平洋連携協定(TPP)に対して「交渉がどうなるかという課題はある」とだけ述べ、反対を明言しませんでした。
(「しんぶん赤旗」首都圏版 2013年8月23日付より転載。田中候補のプロフィールはこちらから)