市長が核ごみ受け入れ「前向き」 市民が抗議 茨城・常陸大宮

原発で発生する高レベル放射性廃棄物(核のごみ)最終処分場選定を巡る、経済産業省からの文献調査申し入れについて、8月31日に記者会見した鈴木定幸・常陸大宮市長は、「国策に貢献する意義があると感じている。何の調査もせずに、議論の俎上に載らない。今の段階でとても前向きに受け止めている」と発言しました。

鈴木市長は、「科学的に物事を考え、リテラシーをもって判断できるようにしていきたい」とし、9月1日開会する定例議会で、議員との学習会を踏まえ、「議員の理解を得ていきたい」とも語りました。

文献調査申し入れへの市役所前での抗議行動

文献調査申し入れへの市役所前での抗議行動=8月31日、茨城県常陸大宮市

常陸大宮市役所の出入口近くに同日、日本共産党の小室貞夫市議や後援会員、市民有志などが集まり、「怒!!常陸大宮に核の廃棄物は拒否!!」、「常陸大宮が核のゴミ最終処分場? とんでもない」などと書かれた横断幕やプラカードをかかげ、経産省の文献調査申し入れに対し、抗議しました。

常陸大宮に核ごみ調査要請 処分地選定で経産省

経済産業省は8月31日、原発から出る高レベル放射性廃棄物(核のごみ)の最終処分地選定を巡り、茨城県常陸大宮市に文献調査の実施を申し入れました。

実施されれば、北海道寿都町、神恵内村、佐賀県玄海町、東京都小笠原村の南鳥島に続いて全国で5例目。国主導での申し入れは、小笠原村に続き2例目となります。

経産省幹部が常陸大宮市役所を訪れ、鈴木定幸市長に申し入れ書を手渡しました。
鈴木氏は、「非常に前向きに捉えている。市議会の話も聞いて最終判断をしたい」と述べました。

核のごみをめぐっては、地学の専門家300人超が2023年、「世界最大級の変動帯の日本に、地層処分の適地はない」と題する声明を発表。火山・地震国である日本は、地殻変動が極めて活発であり、今後10万年も核のごみを安定的に保存できる場所を選定することはできないと警鐘を鳴らしました。

また、日本学術会議は12年に「万年単位に及ぶ超長期にわたって安定した地層を確認することに対して、現在の科学的知識と技術的能力では限界があることを明確に自覚する必要がある」と指摘。
政策の抜本的見直し、専門家間の認識共有、国民的な合意形成の手続きが必要だという見解を示しています。

(「しんぶん赤旗」2026年9月1日付より転載)

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