平和の根っこ 基地“へそ”に9条の碑 70年のたたかい発展させるため 茨城・百里基地
内臓がしびれるような爆音をとどろかせるF2戦闘機。航空自衛隊百里基地(茨城県小美玉市)の「へそ」の部分に9条の碑があります。日本で唯一の基地中の碑です。「憲法9条を持つ国としてミサイル配備は憲法違反」と建立した人たちは抗議の声を上げ、総選挙で憲法を守る共産党を伸ばそうと訴えています。
(遠藤寿人)
「70年の百里農民のたたかいを引き継ぎ、発展させるために」と碑は2024年2月11日、建立されました。「日本国憲法」と大きく彫られた9条の碑がどっしりと座しています。あずき色のインド産御影石に、日本国憲法前文と9条の条文全文が、白文字で彫られています。弁護士団体、9条の会、農民団体、政党など31団体でつくる「百里・憲法九条の碑」建立実行委員会が取り組み、募金は約330万円以上集まりました。
反対同盟の運動
なぜ基地の「ど真ん中」に碑があるのか…。1956年、農民たちは防衛庁(当時)から百里基地建設のためとして、立ち退きを求められました。そのうち8戸が「戦争のためには二度と土地は売らない」と拒みました。市民団体「百里基地反対同盟」などは一坪地主運動を展開。自衛隊は滑走路に続く誘導路を「く」の字に曲げざるを得なくなったのです。守られた土地(約2500平方メートル)の一部が「百里平和公園」として整備され、碑はその一角にあります。
百里基地反対同盟員の梅澤優さん(76)と妻の梅澤田鶴子さんに案内してもらいました。
基地をはさんで向かい側にある「9条の丘」は、旧海軍航空隊の射撃場があった所。ここも運動で守った土地です。小高い丘に「自」「衛」「隊」「は」「憲」「法」「違」「反」の8文字。1文字2畳分の大看板は、1976年に設置、2022年に更新しました。優さんは「隊員は毎日、見たくなくても文字を見ちゃう。戦闘機が飛び立つときに見える」といいます。
基地のフェンス沿いに狭い道を走ると、大きな弾薬庫が見えてきました。基地の裏門前を過ぎると「平和の門」があり、「百里平和公園」へ入ります。公園内には百里稲荷神社や展望台があります。基地を一望でき誘導路を徐行するパイロットと目が合いそうです。
信頼できる党を
毎年2月11日には同盟主催の「初午まつり」が開催され、全国から400人以上が集結します。赤飯と御神酒が振るまわれ、平和の誓いを新たにします。
2010年滑走路が増設され、民間の茨城空港が開港しました。さらに新たな滑走路の建設計画があります。優さんは「民間機用として新たな滑走路を得ることで、戦争のための基地機能の拡張につながる」と懸念します。
「9条には『武力を持たない』と書いてある。敵基地攻撃ミサイルの配備など言語道断だ。基地周辺住民の平和的生存権を脅かされている。国民の生活費を削って大軍拡を進める高市政権を倒すには、半世紀以上の百里のたたかいの中で、一番信頼できる共産党の議席を総選挙で増やさないといけない」。
(「しんぶん赤旗」2026年2月4日付より転載)
