原発事故は人権じゅうりん 東海第2の廃炉求める 避難計画など学習会 茨城・東海村

茨城県東海村で11月9日、「東海第2地域科学者・技術者の会」代表の宮武宇也氏(高エネルギー加速器研究機構名誉教授・理学博士)を講師とした、「原発と避難計画の学習会」が開催され、参加者との活発な意見交換が行われました。無所属の阿部功志東海村議の主催。

宮武氏の講演を熱心に聞く参加者たち

宮武氏(中央奥)の講演を熱心に聞く参加者たち=11月9日、茨城県東海村

宮武氏は、避難の問題で福島第1原発事故から14年後においても、約3万人が800余の市町村で暮らしている「長期の国内避難民」となっており、「簡単に消えない放射能汚染」の現実を強調。
原子力災害は、▽原子力施設がなければ起こらない▽被ばくや汚染被害に差異が生じ、復興が停滞する▽復旧や復興が見通せないほど長期になる─と指摘。
「どれだけのリスクを負って原発を動かすのか、考え知っておくことが重要だ」と語りました。

意見交換で、「避難計画は憲法上、どんな位置づけなのか」と疑問が出されると、宮武氏は、「原発事故により人権がじゅうりんされる。憲法違反だと思う」と答えると、他の参加者からも、「憲法13条に違反すると思う」と発言。

9月の村長選に挑戦した大名章文氏も参加し、「人格権の侵害」として東海第2原発の再稼働が認められなかった水戸地裁判決を紹介し、「憲法の幸福権の主張として廃炉を求めていきたい」と語りました。

阿部氏は、再稼働に対して「賛成、反対、よく分からない」など、多様な考えをみんなで話し合いたいと学習会を企画。原発推進の議員たちへも積極的に声をかけましたが、参加には至りませんでした。

参加した日本共産党の大名美恵子村議は、「原発を推進する人たちの考えを聞くことができるとよかったが残念。みんなで議論して方向性を導き出すことが重要だ」と語りました。

(「しんぶん赤旗」2025年11月12日付より転載)

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