平和を語り継ぐまちづくりへ シンポジウムを開催 北茨城市
「戦争の遺構と平和を語り継ぐまちづくりシンポジウム」が6月23日、茨城県北茨城市で開かれました。
同市内には▽旧日本軍が偏西風を利用して、アメリカ本土をねらって風船爆弾を放った基地▽爆薬を搭載した特攻艇「震洋」の格納庫跡ーなどの戦争の遺構があります。今回のシンポジウムは戦争遺構を活用し、平和を語り継ぐまちづくりについて考えようと茨城県自治体問題研究所(田中重博理事長)などが主催したもの。
基調講演した茨城大学准教授の佐々木啓さんは、戦争の舞台になった場所や戦争に使われたものについて、「それ自体は戦争を語らない」と指摘。戦争体験者が年々減少するなか、「慰霊碑」や記念碑を建立し、戦争を後世に語り継ぐことの大切さを強調しました。
郷土史家の丹賢一さんが「震洋」の格納庫跡と風船爆弾の基地について詳しく説明。地元ボランティアガイドの藤田稜威雄さんは「戦争遺構を“負の遺産”と考えてはいけない」と語りました。
(「しんぶん赤旗」地域発2018年6月28日付より転載)