東海第2原発 廃炉迫る 茨城県議会で江尻加那県議が一般質問
日本原子力発電東海第2原発(茨城県東海村)をめぐり、病院・有床診療所などの医療機関で策定が求められている避難計画の策定が、依然4割弱にとどまっていることが分かりました。
茨城県の大井川和彦知事が3月9日、日本共産党の江尻加那議員の一般質問に対し、明らかにしたもの。
原発の過酷事故で屋内退避や避難措置が求められる、周辺30キロ圏内の医療機関や社会福祉施設には、自治体と同様に避難計画を策定することになっています。
県によると、30キロ圏内の114医療機関のうち、策定済みとなっているのは43機関。一方、481の社会福祉施設のうち、策定済みは324施設でした。
知事は医療機関の避難計画について、「保健所による立ち入り検査の重点項目に位置付けているほか、指導・助言を行っている」と答弁。県として策定を促す考えを示しました。
江尻氏は過酷事故時、入居者の帰宅を県に求められるなど、計画の策定に苦慮している社会福祉施設の実態を紹介し、「再稼働は認められないとの判断をすべきだ」と強調。
策定が進まないのは実効性ある計画は不可能であることにほかならないとし、廃炉への知事の決断を迫りました。
(「しんぶん赤旗」2023年3月11日付より転載)