歴史改ざんの目的は 教科書を考える学習会開かれる 茨城・常陸大宮

茨城県常陸大宮市で6月22日、「教科書を考える常陸大宮市民の会」が、「中学校の歴史と公民の教科書の勉強会」(3回シリーズ)の第1回を開きました。

今年度から市教育委員会は、全国の公立中学校で唯一、「自由社」の歴史教科書を使用しています。勉強会では、近隣市町村で使っている東京書籍のものと比較して学びました。

講師に、子どもと教科書全国ネット21の椛谷陽子事務局長(元中学校社会科教諭)を迎えて学習。
椛谷氏は、自由社の教科書が「歴史とは何か」を、「今の基準で過去を批判することが歴史を学ぶ目的ではありません。今とは異なる時代背景と価値観のもとで、それぞれの時代にはその時代の特有の善悪があり、特有の幸福があったのです」と記述していることを示し、「まさに自分たちのいいように歴史をつくり変える発言をした西田昌司参院議員(自民党)の考え方そのもの」と批判しました。

椛谷氏は、歴史教科書の「表紙の違い」について説明。東京書籍の富岡製糸場や婦人参政権、原爆ドームなど、戦争の爪痕や社会の民主化の動きに対して、自由社は、蒙古襲来絵詞や二宮尊徳、大日本帝国憲法発布のちょうちん行列など、戦後の社会に関する写真が一枚もないことを指摘しました。

参加した新日本婦人の会県本部の吉田さんは、「歴史を改ざんしようとしている人たちの目的が具体的に分かった。事実がどこに向かっているのかを知らせていきたい」と話しました。

(「しんぶん赤旗」2025年6月25日付より転載)

おすすめ