袴田さんの弁護士講演 国民救援会茨城県本部が大会
日本国民救援会茨城県本部は11月16日、水戸市内で第45回定期大会を開きました。袴田事件弁護団の戸舘圭之弁護士が講演しました。
戸舘氏は、学生時代に袴田事件を知り、弁護士を目指したと自己紹介。再審法の基礎から解説し、事件発生から無罪判決まで58年を費やした袴田事件の経過をたどりました。
再審公判では、「捜査機関による証拠ねつ造まで認定した無罪判決」に対し、「全国の支援運動と世論が、検察を控訴断念に追い込んだ」とし、直後の反省も謝罪もない検事総長談話を厳しく批判しました。
警察の見込み捜査や、違法な取り調べの実情、犯行着衣の変遷とねつ造された5点の衣類など、無罪の心証を持ちながら合議の多数決で死刑判決を書かざるを得なかった熊本典道裁判官の苦悩などを詳しく解説しました。
戸舘氏は、袴田事件の教訓として「刑事裁判における事実認定は仮説にすぎないこと」、「死刑制度は誤判救済の道を閉ざすこと」を強調し、著名な法学者の故・小田中聰樹氏の言葉を引用して、「誤判救済は国民にとって人間的責務である」と訴えました。約70人の参加者が聞き入っていました。
(「しんぶん赤旗」2024年11月21日付より転載)