「不安の声はない」? 原電、説明会で強弁 茨城・東海村

日本原子力発電(原電)は9月22日、東海第2原発(茨城県東海村)防潮堤の安全性対策工事の工期延長などについて、住民説明会(22日から10月3日まで計12回開催)を東海村からスタートしました。

午前の参加は15人(東海村7、日立市4、那珂・ひたちなか・常陸太田・小美玉市は各1)。説明会は全体を2部構成とし、1部は概要説明、2部は車座になっての対話形式説明で行われました。

概要説明で地域共生部の野呂秀明地域担当部長が、エネルギー自給率を高めるための国の政策を強調。施工不良発覚からの経過と、工期延長を報告しました。

取材陣から工期延長への住民の反応を問われた原電は、「不安の声は特にない」と回答。「安全最優先でやってもらいたい」、「一日も早く再稼働してほしい」との意見を紹介しました。

さらに「工期延長について原子力規制委員会の許可はとれたのか」の質問に原電は、「規制庁からは異論はなかった。工事を終え規制委の許可を得るまでを2年3か月としている」と答えました。

取材は1部全体と2部の開始前写真撮り、終了後の囲み取材に限られ、記者への配布資料には「参加者への個別取材はお控えください」など規制のある説明会でした。

参加者からは、施工不良でヒートアップしたと「規制委の承認がないのになぜ工期延長を公表したのか」、「明らかになったのが内部告発だったのはなぜか」、「鉄筋かごの高止まりの深さ70センチ不足はどう補うのか」、「再稼働をやめれば、避難計画は不要になる考えはないか」など、たくさんの疑問が出されました。

(「しんぶん赤旗」2024年9月25日付より転載)

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