歴史・公民教科書に自由社版 常陸大宮市教委が採択 考える会など抗議 茨城
茨城県常陸大宮市教育委員会は9月2日、市立中学校で2025年度から4年間使用する歴史・公民の教科書に自由社版を採択したことを公表しました。
「歴史の真実をゆがめる特定の教科書採択は大問題」として、教科書を考える常陸大宮連絡会(篠田栄子代表)は3日に、日本共産党の常陸大宮市委員会(金子卓委員長)と高村功市議は4日にそれぞれ、市教委(小野司寿男教育長)へ抗議し、採択のやり直しと自由社版教科書を採択しないよう強く求めました。
今回採択された自由社の歴史教科書は、これまで検定で不合格を繰り返し、その後の修正を経て合格した異例の教科書です。太平洋戦争がアジア諸国を欧米の植民地支配から解放したかのように教え、日本の加害責任については曖昧な記述しかありません。さらに、公民では憲法の三大原則を軽視し、自衛隊や国防の重要性が極端に記述されています。
教科書を考える会は、「大人の身勝手な政治的思惑で、偏った教科書を子どもたちに使わせることは許されない」と強く抗議。何度も「教育長に会わせてほしい」と訴えましたが、教育長は応対しませんでした。
高村氏は、「日本の侵略戦争の事実を否定し、国際問題の平和的解決を軽視する教科書による学習を強いられる子どもたちがいることは、日本の将来にとって重大問題だ」と批判しました。
(「しんぶん赤旗」2024年9月8日付より転載)