茨城・常陸大宮市議会 議員政治倫理条例を廃止 共産党は反対
茨城県常陸大宮市議会は12月21日、定例議会最終日の本会議で、2002年制定の議員政治倫理条例を廃止する条例案を賛成多数で可決しました。廃止の提案理由は、「議員政治倫理条例が、特定業種に就く有為な人材が議員になることをためらう一因となっているため」などと説明しました。
この条例は2021年2月の条例改正で、「議員が関わる特定の業種において請負工事は辞退」という内容に、物品納入契約辞退を追加するなど、制限をより強くしたものでした。
廃止案は12日に突然提案され、14日の議会運営委員会審査では賛成3、反対3の同数により委員長採決で可決され、21日の本会議に提出されました。
日本共産党の高村功市議は、「条例を廃止することは全てを白紙にすることであり、県内のすう勢からも逆行している。いま急に廃止する理由はない」と指摘し、反対しました。
共産党は高村市議を中心に市内全域で街頭から訴え、条例廃止反対のビラを一般紙に折り込むなど、市民への周知に努めてきました。
市民から、「2年前に改定したばかりなのに、なぜ今、急に廃止なのか」、「条例をなくしたら、昔のように土建政治が強まるのではないか」など不安の声が上がっています。
高村市議は25日、条例採決に利害関係に関わる議員(4人)を参加させたことは、「瑕疵ある議決になりうる」と疑義の解明を議長に申し入れました。
(「しんぶん赤旗」2023年12月27日付より転載)