東海第2原発 廃炉しかない 差し止め訴訟の控訴審開始 東京高裁

日本原子力発電東海第2原発(茨城県東海村)について、茨城県などの住民179人が原電を相手取り運転差し止めを求めている裁判の控訴審が7月11日、東京高裁(相澤哲裁判長)で始まりました。第1回の口頭弁論で住民側は、「東海第2は廃炉にする以外にない」と述べ、東海第2原発の運転差し止めを求めました。

東海第2原発をめぐっては、水戸地裁が一昨年3月、「避難計画を実行し得る体制が整えられているというには程遠い」として、周辺30キロ圏内の住民の人格権侵害を認め、運転を認めない判決を言い渡しています。訴えが認められなかった30キロ圏外の住民と原電の双方が控訴しています。

弁論で住民側の大石光伸共同代表は、福島原発事故が東海再処理工場の火災爆発、JCO臨界事故に続くもので、「四たびは繰り返さないでほしい」と力説。出産直後に東日本大震災に遭った水戸市の花山知宏さんは、「掛け替えのない私たちの暮らしと、一企業の経済活動では重さが違いすぎる。子どもたちに原発事故の未来を残したくない」と訴えました。

裁判後の集会で河合弘之弁護士は、「(一審で示された)“避難できない”というだけで原発を止める、という論理を貫徹できるかどうかだ。全国の差し止め裁判でも極めて重要な意味を持つ」と述べました。

裁判には日本共産党の江尻加那県議、大名美恵子・東海村議が参加しました。
次回進行協議は9月1日午後2時から。

(「しんぶん赤旗」2023年7月12日付より転載)

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