東海第2原発の工事会社が健康診断偽造 取締役に懲役刑を求刑 水戸地裁
従業員の健康診断票を偽造したとして、有印私文書偽造罪に問われた有限会社博良工業(茨城県ひたちなか市)代表取締役の男(62)と、その妻(49)の裁判が10月6日、水戸地裁で開かれ、検察は2人に懲役1年6月を求刑しました。
同社は昨年6月下旬から7月にかけて、放射線管理区域に立ち入る労働者に義務付けられている電離放射線健康診断を実施せず、同社が作成した医師の印鑑やゴム印を使い、診断票を作成したとして、有印私文書偽造の罪に問われています。
同社は当時、日本原子力発電東海第2原発(茨城県東海村)の配管工事などを請け負っていました。
この日の被告人質問で、代表の男は「今までもばれることはなかったので特に心配はなかった。手間を省きたかった」と供述。妻は「(従業員の原発への)入所に間に合わせたかった」などと話し、起訴内容を認めました。
裁判は結審し、検察は両被告に対して懲役1年6月を求刑。一方、弁護側はいずれも執行猶予のついた判決を求めました。判決は19日に言い渡されます。
(「しんぶん赤旗」2022年10月8日付より転載)