東海第2運転差し止め控訴審 裁判勝利へ 「原発廃炉を」決起集会
日本原子力発電東海第2原発(茨城県東海村)の運転差し止めを求める控訴審が東京高裁で始まるのを受け、裁判の勝利をめざす集会が1月22日、東京都内で開かれました。東海第2原発運転差止訴訟団が主催したもの。
水戸地裁はおととし3月、避難計画の不備を理由に東海第2原発の再稼働を認めない判決を言い渡しました。訴えが認められなかった周辺30キロ圏外の住民と原電双方が控訴し、31日に第1回の口頭弁論が行われます。
大石光伸原告団共同代表は、原発回帰をめざす岸田文雄政権について、「故郷を追われ、暮らしを奪われ、人生を狂わされた福島の皆さんの犠牲と困難は続いている。被害者への思いなどひとかけらもない」と強く批判。「首都圏の総力を結集してたたかいたい。それが次の世代への役割だ」と強調しました。
海渡雄一弁護士は、「岸田政権は歯止めが利かない“暴走機関車”になっている。異常な原子力政策を可能にする法律案が出てくるが、葬り去る運動を広げよう」と力説。「首都圏に一番近い原発。控訴審でも勝利を勝ち取り、廃炉にするためにともに頑張ろう」など、参加者の訴えが続きました。
参加者は集会後デモ行進し、「危険な原発はいらない」、「94万人の避難は不可能」などとアピールしました。
「中立・公平大前提」 原告側、裁判長交代求める
日本原子力発電東海第2原発(茨城県東海村)の運転差し止めを求める控訴審が1月31日に東京高裁で始まるのを受け、東海第2原発運転差止訴訟団は22日、審理を担当する裁判長に辞退を求めていることを明らかにしました。
訴訟団によると、控訴審で裁判長を務めるのは東京高裁部総括の永谷典雄裁判官。かつて法務省大臣官房審議官などを務め、原子力関連の行政訴訟では国側の立場で訟務を指揮していました。
大石光伸原告団共同代表は同日の集会で、「片方の監督が審判になることと同じだ」と指摘。鈴木裕也弁護士は「中立・公平が裁判の大前提だ」と述べ、回答期限とする26日までに辞退しなかった場合、初日の口頭弁論で裁判長交代のための手続きを行うとしました。
(「しんぶん赤旗」2023年1月23日付より転載)