映画「オレの記念日」10月8日公開 布川事件の桜井昌司さんに密着

布川事件の桜井昌司氏を描くドキュメンタリー映画「オレの記念日」が10月8日から公開されます。
監督は「獄友」など、冤罪をテーマに映画を撮ってきた金聖雄(キム・ソンウン)氏です。

布川事件は1967年、強盗殺人の犯人として青年2人が逮捕・投獄され、逮捕から44年後に再審で無罪となった事件。

20歳だった桜井氏は、“不良”だったことから警察に疑われ、友人の杉山卓男氏(当時21、2015年死去)とともに逮捕されました。密室での取り調べで虚偽の自白に追い込まれ、2人とも無期懲役に。桜井氏は仮釈放まで29年間、服役しました。

カメラは、64歳での無罪確定後、国家賠償裁判にも勝利し、冤罪根絶に向けた各地の宣伝・講演活動に心血を注ぐ桜井氏に密着。
「冤罪犠牲者の会」を立ち上げ、「袴田事件」の袴田巌氏や「東住吉事件」の青木恵子さんらと交流する姿を追います。

獄中でも「自分が生きた証しを残したい」と、詩や作曲に取り組んだ桜井氏。映画名は、逮捕や投獄された日さえも記念日だという獄中詩「記念日」にちなみます。

「苦難は喜びの種」と語り、がんを患いながらも妻・恵子さんの支えを得て全国を駆け巡ります。

金監督は、「桜井さんの姿には、私たちが困難を乗り越えるヒントがあると思います。冤罪に対する社会の関心を高めることが、警察や司法のあり方を正すことにもつながるでしょう」と語ります。

8日から東京・ポレポレ東中野で公開、順次全国で。

(「しんぶん赤旗」2022年10月8日付より転載)

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