常総水害で原告弁論行われる 水戸地裁

2015年9月の関東・東北豪雨で、鬼怒川が氾濫したのは国の河川管理に不備があったためだとして、茨城県常総市の被災住民らが国に損害賠償を求めている裁判の口頭弁論が10月8日、水戸地裁(阿部雅彦裁判長)で開かれました。

今回の裁判から始まった証人尋問で、原告側9人が当時の被災状況や避難生活の様子を語り、「国は国民の生命や財産を最優先にしているとは言えない」と訴えました。

これまで原告側は、鬼怒川の水があふれ出た若宮戸地区で、自然堤防の役割を果たしていた砂丘林について、河川管理区域に指定されていなかったために事業者の掘削を招いたと主張。国の責任を指摘しています。

証人尋問で原告側の平塚千恵子さん=常総市=は、「砂丘林が住民を守っていた。掘削されれば水害が想定されるので、知っていれば住民の運動になっていた」と主張。
原告団共同代表の片倉一美さんは、「原告は家や家族を失っている。国は河川管理の考え方を変えてほしい」と訴えました。

(「しんぶん赤旗」2021年10月13日付より転載)

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