茨城県議選告示 「オール与党」県政と対決 共産党4氏全力 12月11日投票
来春の統一地方選の前哨戦となる茨城県議選(総定数62)が12月2日、告示されました。11日投開票。
日本共産党は水戸市・城里町区(定数6)で江尻かな候補(49)=現=、つくば市区(定数5)で山中たい子候補(71)=現=の議席絶対確保と、取手市区(定数2)で佐野太一候補(54)=新=が党議席の奪還、東海村区(定数1)で川崎あつ子候補(69)=新=が勝利をめざします。
今回の県議選は、大型開発優先の県政とともに、岸田自公政権にノーの審判を下す絶好のチャンスです。霞ケ浦導水事業などに多額の税金を投入する一方、全国8位の財政力がありながら、医師・看護師数や特別支援学校の教育費など、医療・福祉・教育の指標が全国最下位クラスの県政をただす選挙です。
県予算に共産党以外の全会派が賛成の「オール与党」議会の中で、県民運動と結んで県政を動かし、東海第2原発(東海村)の再稼働ストップでぶれない共産党の勝利が何としても必要です。
同時に「統一協会問題の徹底究明と被害者救済を求める意見書」や「原発推進方針の撤回を求める意見書」に共産党以外の全会派が反対するなど、岸田自公政権ときっぱり対決する共産党の役割は鮮明です。
各党が総力をあげ、党候補を擁立した選挙区によっては定数の2倍に迫る立候補者が見込まれるかつてない大激戦の様相。党と後援会は党県議団の実績・値打ちで共感を広げるとともに、あらゆるつながりへの声かけで2票3票支持を広げようと奮闘しています。
対話・支持拡大飛躍を 茨城県議選が告示
大激戦となっている茨城県議選が今日告示(11日投開票)されました。暮らし・福祉の充実へ県民の願いを届けてきた日本共産党の勝利をと、県内の事務所では支持拡大の奮闘が続いています。
江尻かな候補 今度も議会に 水戸・城里
「大事な県議選がいよいよ始まります。暮らしを守るかけがえのない仕事をしてきた江尻かなさんを、今度も議会に送ってください」─。告示前日の1日、3期目をめざす水戸市の江尻かな事務所では、党員・後援会員が臨時電話をフル稼働させ、江尻候補への支持を呼びかけました。
水戸市・城里町区は定数6を10人超が争う多数激戦です。電話かけでは、東海第2原発の再稼働ストップでぶれず、地域交通の充実などを求めてきた江尻候補の実績と役割を語っています。
ある高齢の女性は、隣接する茨城町などで実現しているデマンドタクシーの導入を要望。「久しぶりに路線バスに乗ったけど、ちょうど良い時間に走っておらず、乗り継ぎも不便。切実です」と吐露。
別の女性(79)は、「福島の事故を経験して、東海第2は止めるほかないですね」などと応じ、江尻候補への支持を約束しました。
支持を約束してくれた有権者には、「何人に支持を訴えていただけますか」などの折り入ってのお願いも。「家族にも伝えておきますよ」などの反応もありました。
県立高校新設問題 山中たい子候補へ つくば
5期目を目指す山中たい子候補(つくば市、定数5)を押し上げるため、市内の支部が電話をかけています。県立高校新設の話題では、「相手が本気になる」と実感しています。
11月30日、谷田部地域では午前から4人が集まり電話を掛けました。
「市内に県立高新設を求め、市民が7千人分の請願署名を集めました。でも紹介議員になったのは山中さんだけ。子や孫のため県議会を変えましょう」と話すと、どの世代でも反応がいいそうです。
「高校生の孫を3年間車で送りとおした」と話す人と対話に。つくばエクスプレスの沿線開発で人口が増えるつくば市では、6人に1人しか市内の県立高に入れません。
市外へ通学すると交通費が月1万円を超えることも。交通の便も悪く、生徒や家族の負担になっています。
宣伝をすると、統一協会と癒着する自民党への怒りも聞かれます。
農村部では、「俺らになんも相談せず勝手なことをやっている」と怒る自民党支持者もいます。
一方、共産党の地盤が強い地域でも、「他からお願いされたので今回は考える」、「山中さんは大丈夫でしょう」との声が出ます。他会派の動きも活発です。
「ビラや宣伝で空気が変わってきた。後は対話をどれだけ広げるか」。地域で奮闘しています。
佐野太一候補支持 党派超えて 取手
茨城県議選で2議席を争う取手市では、日本共産党と後援会が「自民党の2議席独占は許せません。みなさんの声を県政に届ける佐野太一さんへ党派を超えたご支援を」と対話と支持を広げています。
人命・人権軽視の発言で辞任した葉梨康弘前法相の地元とあって、対話では保守層からも「面汚しだ」などの声が。東支部長の男性(78)は、「いままであまり関心がなかったような人からも、対話すると向こうから話してくる」と語ります。
各支部・後援会の対話では、住民の怒りは、物価高のなかでの年金減額や高齢者医療費の負担増にも及んでおり、「自民は2人もいらないでしよ」「今回は共産党だ」との声もあがっているといいます。
県政についてはあまり知られていませんが、党員らが「茨城県の財政力は全国8位で予算は1兆2816億円。暮らし充実の財源はある」と伝えると、多くの市民が驚くと言います。
「無駄な常陸那珂港開発(事業費6800億円)などを見直せば、18歳までの医療費ゼロ(あと約23億円)などは十分可能です」と訴え、支持を広げています。
佐野候補の駅前宣伝には、若い世代からも「子どもの医療費がゼロならありがたい」(24歳女性)、「できるんだったらやってほしい」(30歳男性)との声が相次ぎました。
(「しんぶん赤旗」2022年12月2日付より転載)
“葉梨ポスター”変えたものの… 茨城県議選で自民
「法相は死刑のはんこを押す地味な役職」、「お金は集まらない」―こんな発言で辞任した葉梨康弘前法相。地元・茨城県の取手市では、保守層からも「地元の恥だ」などと怒りの声が上がっています。
取手市では葉梨氏の辞任直後から、自民党県議候補と葉梨氏との2連ポスターに変化が。葉梨氏の部分に、上から自民党の地元選出、加藤明良参院議員の写真を貼り付ける動きが加速しました。
しかし、加藤氏も統一協会との関係が問題になってきた議員の1人。そもそもいまの自民党の問題は葉梨氏だけの問題ではありません。いまでは2連ポスターそのものをはがす動きも広がっています。
自民党は、統一協会との根深い癒着や、「政治とカネ」の問題で何の自浄能力も発揮できていません。物価高の中で年金を減らし医療費を上げただけでなく、介護保険の負担増や軍事増税まで狙っています。
共同通信の11月下旬の調査では、岸田内閣の不支持率が半数を超えただけでなく、自民党の支持率も前回から7.0ポイント減少しています。
自民党が県議会で7割超の議席を占める保守王国・茨城でも「自民の独占を許していいのか」との怒りの声が広がりつつあります。県議選取手市区(定数2)では、自民党の2人の現職に日本共産党の佐野太一さんが挑みます。(直)
(「しんぶん赤旗」2022年12月2日付より転載)