研究炉再稼働やめて 住民説明会で懸念の声次々 東海村
日本原子力研究開発機構原子力科学研究所(茨城県東海村)が2月末に予定する、研究炉JRR-3の再稼働をめぐり、東海村内で1月14日、住民説明会が開かれました。
JRR-3では、核分裂で発生させた中性子を利用して照射実験が行われてきましたが、東日本大震災による新規制基準への対応で運転を停止していました。
機構側は、原子炉建屋の屋根や排気塔の耐震工事など、地震対策を紹介。
施設内での防火対策として、ケーブルを難燃シートで覆うなどの説明をしました。
参加者からは、「10年以上停止した原子炉で起動時のトラブルが懸念される。来月の運転再開はやめてほしい」、「どのくらいの使用済み核燃料が貯蔵されているのか」といった意見や、東海第2原発(東海村)で事故が起きた場合の対応など、疑問の声が相次ぎました。
説明会後、原子力科学研究所の大井川宏之所長は、「慎重に運転再開へ取り組みを進めていきたい」と話しました。
JRR-3をめぐっては、日本共産党県議団と周辺5キロ圏内の党議員らが13日、施設の耐震性や長期間停止した原子炉起動時のリスクなどから、再稼働の中止を求める要請を機構宛てに行っています。
(「しんぶん赤旗」2021年1月19日付より転載)
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日本原子力研究開発機構 原子力科学研究所の公式Webによると、新型コロナウイルス感染症拡大により会場が使用できなくなったことから、第4回から第7回の説明会は中止するとしています。