原子力研究開発機構 冷却塔倒壊で報告 茨城県に

茨城県が主催する「原子力安全対策委員会」(古田一雄委員長・東京大学大学院教授)の会合が8月18日、水戸市内で行われ、昨年9月の台風15号で倒壊した、日本原子力研究開発機構(大洗町)にある材料試験炉「JMTR」の冷却塔について、機構側から事故原因などの報告を受け、「対応はおおむね妥当」としました。

茨城県主催の「原子力安全対策委員会」

茨城県が主催する「原子力安全対策委員会」の会合=8月18日、水戸市


この事故は、原子炉で使用する材料などに放射線を照射し、耐久性を調べる木造の2次冷却塔が倒壊したもの。
2006年にすでに運転を停止している施設で、原子力規制委員会に廃止措置を申請しています。
機構側は、倒壊した施設について、木材内部の腐食が把握できていなかったことや、最も影響を受けやすい風向きでの強風が倒壊につながったと説明。
同様の木造の原子力施設があることから、メーカーとの情報共有や、点検・保守計画を策定するなど再発防止策を明らかにしました。
会合は、事故をめぐる機構側の一連の対応を「おおむね妥当」とし、対策などについて他の原子力事業者に情報提供を行うよう求めました。
また会合は、今年4月に発生した東北大学金属材料研究所(大洗町)にある研究棟排気筒の倒壊をめぐる事故対応と対策についても了承しました。
(「しんぶん赤旗」2020年8月19日付より転載)

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