原子力事故繰り返すな JCO臨界事故シンポ 茨城
茨城県東海村の核燃料加工会社JCOで1999年に作業員2人が死亡し多くの住民が被ばくした臨界事故など、原子力事故について考える「JCO臨界事故を忘れない、原子力事故をくりかえさせない2017年9・30茨城集会」が10月1日、同村内で開かれました。同集会実行委員会(田村武夫実行委員長)が主催したもの。
今回のテーマは同村の東海第2原発の20年運転延長問題。小林栄次氏(原発問題住民運動全国連絡センター代表委員)は東海第2原発取水口付近の海水が汚濁しているのではないかとの見方を示し、ごみの流入などで冷却機能が失われ過酷事故につながる危険性を指摘しました。
菅家新氏(原発事故の完全賠償をさせる会事務局長)は、放射線量やそれに基づく賠償額など住民が分断されている福島第1原発事故後の福島県内の状況を報告。「『帰還宣言』しても帰れない。賠償打ち切り後の政府の支援策が見えない」と訴えました。
立石雅昭氏(新潟大学名誉教授)は原子力規制委員会が柏崎刈羽原発再稼働に事実上の「合格」判断をしたことについて「東電の隠ぺい体質を覆い隠すもの」だと批判。「原発ゼロ運動を前進させるかどうかは、“フクシマ”の現状を広範な住民が共有できるかどうかにかかっている」と強調しました。
(「しんぶん赤旗」首都圏版2017年10月2日付より転載)