東海村の核燃料再処理施設 廃止まで70年、1兆円 原子力機構が試算

日本原子力研究開発機構は6月30日、原発から出た使用済み核燃料の再処理施設(茨城県東海村)の廃止作業に70年で約1兆円掛かるとの試算を発表しました。費用は大半が国費で賄われるため、巨額の国民負担が発生します。
原子力機構によると、再処理施設には使用済み核燃料を再処理した際に出る極めて放射線量が高い高レベル放射性廃液が残っています。液体状態だと漏出の危険性が高いため、ガラスと混ぜて固める作業が行われており、この作業に当面10年間で約2170億円掛かる見込みです。
また、その後発生する施設解体費が約1400億円、放射性廃棄物を固めるなどの処理費用が約2500億円、放射性廃棄物の埋設処分費が約3800億円と見積もっています。
一方、廃止作業の費用試算には、現在年間50億~60億円掛かっている施設の維持管理費は含まれていません。作業は長期にわたる上、国内では前例がないため、原子力機構は試算について「精度が高いとは限らない」と話しています。
また、放射性廃棄物の処分場所も決まっておらず、最終的な費用はさらに膨らむ恐れもあります。特にガラスと混ぜた高レベル放射性廃棄物の処分場所は電力各社も選定が進んでいないため、解決策の見えない原発特有の問題となっています。
(「しんぶん赤旗」2017年7月1日付より転載)

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