住民の声届く政治を 茨城県議会報告 茨城空港着陸料補助に反対 豪雨災害救済 国に要望へ

茨城県議会第3回定例会は10月1日、69億2700万円にのぼる一般会計補正予算案や条例案などを原案通り可決して閉会しました。
日本共産党が提出した「戦争法の廃止を求める意見書」は、共産党以外の「オール与党」会派の反対で否決されました。

(茨城県・栗田定一)

議会最終日、共産党県議団(山中たい子、江尻加那、上野高志の3議員)を代表して、山中議員が採決に先立って討論。
議案に茨城空港(航空自衛隊百里基地との「軍民」共用空港)に就航しているスカイマーク社の着陸料半額補助や常陸那珂港区の請負工事案件などが盛り込まれていることについて、「航空会社のための“空港対策”」「企業専用の港と化している」などとそれぞれ指摘し、反対しました。
会期中、常総市などに甚大な被害をもたらした豪雨災害が発生。
江尻議員は予算特別委員会で、被災者支援や農業被害の救済を橋本昌知事に迫りました。
橋本知事は、自動車取得税を減免する考えを表明したうえで、収穫後のコメが補償対象になっていないことについて、「被害が甚大なことから救済措置を国に要望する」と応じました。
初の一般質問に立った上野議員は、県開発の工業団地に各種優遇措置を受けて進出した企業を例にあげ、正規雇用を求めました。
橋本知事は、「正規雇用化に関する目標を実現するための具体的事業を位置づけて取り組んでいく」と答えました。
上野議員はさらに、過大な水源を開発する霞ケ浦導水事業や八ツ場ダムなどの事業中止を要求。
東海(第1)原発の廃炉作業で発生する低レベル放射性廃棄物L3の処分について、「埋設」計画から「一時保管」への転換を提起し、東海第2原発の再稼働中止を迫りました。
知事は自らの考えを述べず、国や審議機関の判断に委ねる答弁に終始しました。
代表質問や一般質問で他会派議員は、「高速道路の整備進展に伴う陸路ネットワークの強化」(自民)、「圏央道を核とした企業誘致の方向性」(自民県政クラブ)、「茨城空港の活性化」(自民)、「ひたちなか地区の振興」(民主)などのテーマで、いずれも“呼び込み型”開発行政の推進を迫りました。
自民党議員からは、「空港活性化のために百里基地とのコラボを提案したい。基地内には資料館もある。隊員食の体験もできたら人気が出るのではないか」などの質問も飛び出しました。
(「しんぶん赤旗」首都圏版 2015年10月15日付より転載。県議会については県議団江尻県議のWebもご覧ください。)

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