豪雨災害 4市町に募金届け懇談 梅村さえこ衆院議員と共産党茨城県委員会
日本共産党の梅村さえこ衆院議員と田谷武夫党茨城県委員長は10月13日、関東・東北豪雨災害で甚大な被害を受けた常総市、筑西市、古河市、境町の4市町に災害支援募金を届けました。
梅村氏、田谷氏は各市町の幹部に目録を手渡し懇談。常総、筑西、古河市の党議員がそれぞれ同席しました。
県内の自治体で最も大規模な水害となり、現在も318人が避難(13日現在)している常総市では塩畑実副市長が応対し、災害発生から約1カ月の現状を説明。
がれき処理事業について、国の制度では全壊以外の家屋には補助が認められておらず、市の負担が増えることなどを訴えました。
梅村氏は、「行政と市民の皆さんの努力に応じた対策が取られるよう、持ち帰って国に声を届けます」と激励しました。
筑西市では須藤茂市長、古河市では菅谷憲一郎市長、境町では信田好則副町長が応対。
国に対して、米や野菜など農作物被害への補償拡充の要望が出されました。
茨城県内の被害状況は、12日午後4時時点で死者3人、住宅被害は全壊50件、大規模半壊1,109件、半壊2,904件、床上浸水120件、床下浸水2,969件。
水害による被害は、5日時点の推計で約114億円を超えます。
茨城・常総水害から1カ月 農業・住まい “支援を”の声
記録的豪雨による鬼怒川の堤防決壊(9月10日)によって茨城県常総市が甚大な水害に見舞われてから1カ月がたちました。
基幹産業である農業や、住まいをはじめとした生活再建など復興への道は、まだ見通しがたっていません。
(笹島みどり)
常総市三坂町の堤防決壊箇所。新たな堤防が急造されましたが、県道は分断されたままで、流された住宅なども以前と変わらず残されています。
1カ月ぶりに関東鉄道常総線が全線開通した10月10日、水海道駅前で客待ちをしていたタクシー運転手(68)は、「がれきは目につかなくなっているけど、家の中の生活は大変だよ」と話します。
被害推計32億円
農業生産額が全国2位の茨城県ですが、農業被害は深刻です。
農産物被害推計は約32億円(5日現在)。
県内でも有数の穀倉地帯の常総市は、推計被害額は13億8000万円前後に及びます。
三坂町で水稲45ヘクタールの大規模経営に取り組んできた男性(59)の田や畑にも泥が入り、がれきもそのままです。
「収穫したコメは6段積みの下2段が水に浸かり、売り物になりません。収穫後の米は農業共済の対象ではないというが、過去の実績をもとに支援してもらえないか」と訴えます。
おいしいと地域でも評判のイチゴを育てていた男性(70)=三坂新田=。
「今年はいい苗ができた」と喜んでいた矢先に2万株の苗を流されました。
泥出しがようやく終わった自宅を眺めながら、「もう忘れたい。ハウスも農機具も水に流され、全部ない。この先1年は無収入だ」。
商工業も深刻です。
市商工会議所によると、市内中小企業の6割が被災し、特に鬼怒川の東側は壊滅的です。
特別枠の創設を
10日に常総市に入った全国災対連の調査団は、地域産業を守るため、これまでの枠にとらわれない支援や融資制度の特別枠の創設などを塩畑実副市長に提案。
塩畑副市長は、「災害減免や融資制度など、県と共に進めていきたい」と答えました。
県災害対策本部によると、常総市の家屋被害は全壊50戸、半壊約3,700戸、一部損壊約2,300戸。
浸水では床上約4,400戸、床下約6,600戸。常総市内の4カ所の避難所には126人が避難しています。(9日調べ)
被災住宅は、泥のかき出しやリフォームなどで、再び住めるまでにはまだ時間がかかります。
日本共産党と県内の民主団体などが共同で立ち上げた吉野サポートセンターには、平日で約10人、週末には約20人が全国から駆け付けています。
記者が訪ねた日、床上1メートルまで浸水した三坂新田の女性(83)から、床下の断熱材をはぎ取ってほしいとの要望があり、センターから9人のボランティアが駆けつけました。
この女性は、「うちだけじゃどうにもできない。若い人は力があってありがたい」と何度も感謝の言葉を口にしていました。
作業をした女性(38)は、「時間がたつほど高齢者世帯が復旧から取り残されているのが見えました。行政の力が必要だと思います」と話しました。
(「しんぶん赤旗」 2015年10月14日付より転載)