茨城水害 住宅・農業補償拡充を 共産党県委員会が各省庁要請

鬼怒川堤防の決壊による水害で、日本共産党茨城県委員会は9月16日、塩川鉄也衆院議員、梅村さえこ衆院議員、紙智子参院議員とともに関係省庁に申し入れました。
堀越道男常総市議、石川栄子常総市議と茨城農民連の村田深書記長が申し入れに参加し、おくだ智子氏(参院比例予定候補)と小林きょう子氏(参院茨城選挙区予定候補)らが同席しました。
内閣府には、被災住宅再建の支援強化などを要請。
堀越市議は、県内で合計1万2000軒の床上・床下浸水が発生したと述べ、「住宅の泥を出すだけで相当な費用がかかる。災害救助法の柔軟な適用を」と訴えました。
担当者は、「自らの資力を持たない人には、救助法が適用される」と答えました。
環境省には、市内の集積場にゴミや、がれきがあふれている問題で「国としても協力体制が取れないか」と求めました。
担当者は、「県とも協力して、迅速ながれき処理の支援に努める」と回答しました。
農水省への要請で村田書記長は、収穫した米の浸水や育苗ハウスの損害など深刻な被害が各地で起きたことを報告し、補償の拡充を求めました。
担当者は、収穫した米について「共済の保険対象外」との回答にとどまり、紙氏が保険以外に、国として補償の方法を検討すべきだと話しました。
(「しんぶん赤旗」 2015年9月18日付より転載)
minpougougai20150916
茨城民報2015年9月号外(PDF)

豪雨災害 緊急要求を政府に要望

日本共産党茨城県委員会は9月16日、政府、各省庁に「台風18号による豪雨災害に救援、復旧、自治体支援に関する緊急申し入れ」を行いました。その要望と回答を紹介します。

  1. 激甚災害指定
    被害状況を掌握して激甚災害の指定を行うこと。
    【回答】「激甚災害」に指定されると、公共事業の補助がかさ上げされる。公共事業や農業施設の損害額によって指定する。指定にはだいたい1ヶ月かかる。
     
  2. 排水対策
    総力をあげ排水を行い、国の担当者を常総市の対策本部に常駐させること。自治体に排水技術の提供をおこなうこと。
    【回答】国土交通省の職員3名を常総市に派遣している。排水ポンプは41台配置した。全力をあげる。
     
  3. 避難所と避難所に行けない人への支援
    子ども連れ家族から、「子どもが騒いで迷惑をかけないよう気をつかっている」との声があるので、児童館や子育て支援センターなどの開放や子ども連れ家族向けの部屋を確保すること。避難所に行けない人への食糧、携帯電話電源等の支援を強化すること。
    【回答】テレビのリースは災害救助法の適用になる。避難所に行けない人への水、食糧の給付は法が適用されるが、携帯電話電源等については検討したい。
     
  4. ゴミ、ガレキ対策
    集積場があふれる状況。国としても協力体制をとること。
    【回答】災害ゴミの処理については補助をする。他の自治体と業務委託をすれば、他の自治体の経費も補助の対象となる。
    〈塩川議員〉宮城県大和町では冷蔵庫、テレビ、エアコン、洗濯機は家電リサイクル法の対象だが、町で無料回収している。常総市でも検討を。
     
  5. 自動車税等の減免、徴収猶予
    廃車の手続きができない車、修理しなければ使用できない車、被災した車に代わる新たな自動車を購入した際の自動車税、自動車取得税の減免や猶予を市町村に徹底すること。減免を拡大すること。
    【回答】地方税なので減免は知事の権限で行うことになる。
     
  6. 農業被害への救済、支援、補助
    収穫前の田んぼや畑が広い範囲で冠水し、収穫したコメも浸水している。「はくさい、大豆が浸水」(筑西)、育苗ハウスの損壊(下妻)、牛舎の水没(境町)、シイタケ栽培施設や製材加工施設の浸水(結城、常総)など農業被害は甚大です。農業被害への補償、農業機械や器具等の購入、更新への補助、施設の復旧への補助、二重ローンへの対策を拡大すること。
    【回答】農業用施設復旧、農業器具の修理、購入に30%の補助制度がある。発動するかどうかは広域性、被害額で決める。農業共済は、収穫前の農産物が対象で収穫後は対象にならない。
     
  7. 被災住宅再建への支援強化
    被災者生活再建支援法を改正し、支援対象を半壊や一部損壊にも拡大するとともに、限度額を当面500万円に引き上げる。住居の解体費用についても支援すること。
    【回答】家が壊れていなくても家を壊す必要がある場合は、基礎支援金の対象になる。救援のヘリコプターによって壊れた家屋の法適用については、検討したい。県の制度も新設されたと聞いている。
     
  8. 床上、床下浸水家屋への支援
    住宅の泥をだすだけで相当な費用がかかる。災害関連法を柔軟に適用して支援すること。
    【回答】床上浸水などで泥が生活の障害になっている場合、それを取り除くことは災害関連法の適用になる。被災者は、「被害証明書」を市に提出し、市が業者と契約する。
     
  9. 仮設住宅をはじめ被災者の住・生活環境の改善
    ホテル、旅館の使用、民間住宅借り上げなど応急仮設住宅の要望にこたえること。
    【回答】ホテル、旅館は避難所として必要な場合は、災害救助法の対象になる。民間住宅を借り上げ、応急仮設住宅にすることは可能。
     
  10. 医療対策
    きぬ医師会病院も水没して医療行為が困難に直面している。また周辺の病院に患者が殺到している。支援を強化すること。
    【回答】全国の医療機関、県医師会、赤十字社などから医師等が支援してくれている。復旧には補助制度がある。
     
  11. 指定廃棄物
    鬼怒川沿いに、常総広域市町村組合のゴミ焼却場(守谷市)があり、指定放射性廃棄物を大量に保管している。県内すべての指定廃棄物保管所の安全対策を実施すること。
    【回答】今回の水害で茨城県内の指定廃棄物保管場所の被害はなかった。水害への対応について調査する。指定廃棄物の「保管」についても検討する。
     
  12. 自然堤防対策
    鬼怒川の自然堤防が業者によって掘削されたことが水害の重大要因となった。国の責任を明確にし、法改正も含め対策を検討すること。
    【回答】掘削について事実経過を調査している。
     
  13. 危険か所対策
    (1)石岡市総社2丁目内のがけ崩れ、「災害関連地域防災がけ崩れ対策事業」を適用して、施工を。
    【回答】激甚指定されると「災害関連地域防災がけ崩れ対策事業」に適用されやすい。
    (2)筑西市下川島地区「そば処まるじゅう」周辺は1メートル程度の浸水被害が生じた。堤防未整備地区の整備を。
    (3)筑西市船玉地区堤防未整備地区の整備を行うこと。
    (4)田川に逆流し、結城市久保田地区で浸水被害が生じた。対策を。
    (5)下妻市前河原地区堤防未整備の整備を行うこと。
    (6)本年度中完成(予定)の取手市中央タウン地先の堤防について遅滞なく整備を。
    (7)取手市の長町排水樋管にポンプ場設置に国補助の拡充を。
    (8)ひたちなか市の中丸川。上流の工事中の実施を。
    【回答】調査をしたい。
     
  14. 国勢調査を中止または延期の措置を講ずること。
    【回答】市が県を通じて国に連絡すれば、延期は可能。

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