激変ルポ 「息子が戦地に…」 自衛隊駐屯地の街で 茨城・土浦市
安倍政権が「戦争立法」の制定を急ぎ、憲法9条をふみにじって「海外で戦争する国づくり」へと暴走するなか、自衛隊関係者の間で日本共産党への支持が広がっています。
(原田浩一朗)
OBから切実な訴え
陸上自衛隊霞ケ浦駐屯地のある茨城県土浦市。
日本共産党は、「憲法を守り、海外の戦地に自衛隊員を送るな」「隊員の命を守れ」と訴え、4月26日投票の市議選(定数28=立候補41人)で、現職の久松たけし候補(71)と新人の井上圭一候補(53)の必勝をめざして全力をあげています。
元3等陸曹
5期20年市議を務めた古沢喜幸さんのバトンを引き継ぐ井上候補は元3等陸曹。
1981年から9年間、霞ケ浦駐屯地に勤務しました。
「現役自衛官の間では、厳しい箝口令が敷かれている」と井上候補。
それでも、隊員OBや隊員の家族と話をすると、「本当は、(海外の戦場に)いきたくない」「息子が戦地に派遣されるかもしれない。どうなってしまうのか」などと苦悩と不安が語られ、「共産党にがんばってほしい」「隊員の命を守ってくれ」と激励されるといいます。
井上候補が所属した後方支援部隊は、武器弾薬の補給をはじめ第一線部隊の戦闘能力を支えるのが任務。
「どんな演習でも、第一線部隊と一体となって行動する」といいます。
そして、第一線部隊の指揮官の命令に従います。
「『戦争立法』が成立して、海外で米軍の後方支援をするということは、米軍の指揮下に入るということ。『攻撃を受けたら活動を休止する』とか、安倍首相がいう『歯止め』なんて成り立たない」と断言します。
自衛官になるとき、憲法順守を宣誓します。
「憲法9条こそ隊員の命を守ってきた歯止め。これを覆さないでくれ」─。
井上さんに寄せられる隊員や家族、OBの切実な願いだといいます。
ブレーキ不在
地域の自治会活動を続けてきた、市内に住む72歳の男性。
知り合いの自衛隊OBがこう話すのを聞きました。
「こんな法制が通ったら、現役は戦地に連れていかれる。安倍政権は極端すぎる。ブレーキ役がいない。今、まともなのは共産党だ」。
井上候補は訴えます。
「日本共産党への支持は、自衛隊員の命を救うことになります。平和への願いを込めて、日本共産党への支持を広げてください」
(「しんぶん赤旗」 2015年4月19日付より転載)
「ストップ!戦争立法」元陸上自衛隊三等陸曹 井上圭一さん(2015年4月9日)