クローズアップ 茨城・百里基地 迫る戦争の影 長射程ミサイル配備計画・基地機能の強化…

「この道許さない」立ち上がる市民

敵の射程圏外から攻撃できる、国産の長射程ミサイル(射程1,000キロメートル)配備計画が2027年度とされる茨城県の航空自衛隊百里基地(小美玉市)では、連日のように爆音をとどろかせながら戦闘機の飛行訓練が行われています。
米国とイスラエルによるイランへの無法な戦争を目の当たりにして、「戦争が目の前に迫っているようだ」、「日本が自衛隊を派遣するようなことがあってはならない」と、百里基地を抱える住民の不安は高まっています。

(茨城・小池悦子)

今年2月11日、百里基地のど真ん中にある百里平和公園では、毎年恒例(1966年2月初開催)の「百里初午(はつうま)まつり」に県内外から400人が参加。突然の解散・総選挙で改憲勢力が多数を占める結果となった選挙直後、参加者は「落ち込んではいられない」、「頑張るみんなに会って、元気をもらいたくてきた」など、小雨が降る中、平和をつくる日本国憲法を守り抜く決意を固め合いました。

百里基地の誘導路を「くの字」に曲げている百里平和公園は、1989年2月に一坪運動により完成。日本国憲法9条のもとで「自衛隊は憲法違反」を掲げてたたかってきた証です。24年2月には「百里・憲法9条の碑」が建立されました。

住民説明会要請

ミサイル配備計画に対し、日本共産党や社民党、新社会党、百里訴訟弁護団、平和団体、住民団体などが参加する百里基地反対連絡協議会(百里連協)は、防衛省や百里基地、県と近隣市町村に撤回を求めて申し入れ。基地に対しては、住民説明会の開催を昨年から繰り返し要請していますが、いまだ開催に至っていません。

百里基地では、25年8月に基地所属F2戦闘機の墜落事故や、26年1月にU125A救難機の「かく座」事故などが発生。航空自衛隊と他国軍との共同訓練は急増し、近年はオーストラリアやドイツ、インド、カナダ、イギリス、フランス軍との訓練を実施しています。

日本共産党の江尻加那県議が、26年3月議会で他国軍との共同訓練の根拠を質問したのに対し、大井川和彦知事は、「外交ルートでの申し入れがあり、『受け入れます』という外交的な手続き」によると答弁。こうして法的根拠がなく、なし崩しに百里基地が使われている実態も明らかになっています。

百里基地のミサイル配備など、機能強化と同時に計画されているのが、基地と隣接する茨城空港(軍民共用空港)の新たな誘導路建設問題です。10年3月の開港以来、利用者数が年間目標80万人に一度も届かない中で、誘導路拡張により170万人に増やすと県は大風呂敷を広げています。

県は開港以降、毎年莫大な県費を注いできました。新たな誘導路について、県担当者は「空港に新たな平行誘導路が設置された後は防衛省に移管する」と、百里連協の申し入れ(25年3月7日)で発言するなど、県政の税金が百里基地の機能強化につぎ込まれることになります。

平和大会開催へ

百里基地の近くに住んでいる百里基地反対同盟の梅沢優さんは、連日の戦闘機飛行訓練をはじめ、相手(敵)を狙う訓練について、「実際のアサルトライフル(突撃銃)で空砲を撃っている練習では、弾は抜いているが火が出ている」など指摘し、「今の自衛隊は専守防衛を逸脱している事態だ」と強調します。梅沢さんは、こうした状況を住民にもっと知らせていなかければならないと、「なるべく早く市内にポスターなど張りだしていきたい」と語ります。

今こそ「長射程ミサイル配備反対の世論と運動を大きくする時」と、百里連協など各運動団体が結集し、今年10月10日に茨城平和大会を開く計画を進めています。

(「しんぶん赤旗」2026年4月24日付より転載)

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