東海第2原発 防潮堤に追加説明要求 施工不良の工事巡り規制委
原子力規制委員会は9月25日、日本原子力発電東海第2原発(茨城県東海村)の防潮堤工事について、施工不良が明らかになった基礎の設計変更をめぐる審査会合を開きました。規制委は、目視では判断できない基礎部分であることから、やり直しの工事が耐震基準を満たすかどうかについて、追加の説明を原電側に求めました。
原電側は、基礎部分でのコンクリートの未充てんや鉄筋の高止まりを受け、鋼管杭を追加するなどの設計変更を検討。原電側は「(基礎の)構造成立性は確保できる」と説明しました。
規制委は、追加する鉄筋コンクリートの規格について、一般の施設での使用実績が少ないことなどを指摘。実験を行うことや、耐震性の根拠について追加の説明を求めました。原電側は「整理して次回説明したい」と応じました。
傍聴した東海第2原発差し止め訴訟団世話人の川澄敏雄さんは、鋼管杭を追加する基礎が、原子炉を冷やすための海水を取り入れる取水口付近にあると指摘。工事作業中の鋼製防護壁の落下をふくめ、取水口部に沈み込む影響を懸念し、「工事はきっぱり断念して廃炉にすべきだ」と話しました。
東海第2原発をめぐっては2023年10月、工事関係者からの告発で防潮堤基礎部分の施工不良が発覚。原電は来年12月までにすべての工事を終わらせ、東海第2原発を動かす方針です。
(「しんぶん赤旗」2025年9月29日付より転載)