危険地に産廃処分場 原告が最終陳述 水戸地裁

茨城県が日立市内で計画する新たな産業廃棄物最終処分場を巡り、洪水や土砂崩れの危険性を考慮していないなどとして、住民らが処分場に通じる道路の整備費用などの支出差し止めを県に求めた4年にわたる訴訟の最終口頭弁論が9月18日、水戸地裁(佐々木健二裁判長)でありました。

最終処分場建設予定地の日立市諏訪地区に住む原告の助川靖平さん(85)は、「自然豊かな環境が破壊され、水が汚染されるのではないかとの強い懸念があった」と、原告として立ち上がった思いを語りました。

「本来は造ってはならない場所に処分場を造ろうとし、工事を進めている県に対し強い憤りがある」と強調。▽住宅や施設が密集している場所の危険性▽この間の台風や豪雨被害が発生した地形上の危険性▽唐突な計画発表は、日立市ありきで進んできた─と計画の問題点を指摘しました。「行政は住民の生命と財産を守ることが責務だ。地域に暮らす人々の命と未来を守るために訴える」と力説しました。

原告弁護団は、▽土砂崩れや洪水による災害発生の危険性が高い地域に最終処分場を造ること▽候補地は安全な搬入道路を確保できる状況にはなく、道路新設は切り離せないこと─を指摘し、「社会通念上、妥当性を欠く違法な判断だ」と強調しました。

報告集会では、4年間のたたかいを振り返り、21人が思いや決意を語りました。

(「しんぶん赤旗」2025年9月20日付より転載)

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