東海第2原発差し止め訴訟 避難計画は不備だらけ 東京高裁で住民が陳述

日本原子力発電東海第2原発(茨城県東海村)の運転差し止めを住民が求めている訴訟の控訴審第7回口頭弁論が8月22日、東京高裁(谷口豊裁判長)でありました。原告側は避難計画の不備などを訴え、日立市の軍司道男さん(77)と、東海村の大名美恵子さん(日本共産党東海村議)が意見陳述をしました。

軍司さんは、東日本大震災当時を振り返り、「(現在)最終避難所は公表されておらず、分からないまま、福島県郡山市の避難中継所に行くことになっている」と述べ、天候や移動手段がどうなるのかも含め、「さまざまな病気を抱える妻が心配。現在の避難計画も不備だらけ、住民の高齢化で年々、実効性からはほど遠いものになっている」と語りました。

大名村議は、これまでの原発関連の事故(動燃再処理施設の火災爆発事故、JCO臨界事故、福島第1原発事故)を振り返り、事故の危険性と隣り合わせで暮らしている実態を語りました。村の実効性のない避難計画も指摘し、「本当に私たちの命は守られるのか。絶対に無理だ」と強調しました。
東海第2原発の防潮堤の施工不良や連続火災などにも触れ、「いのちとふるさとの未来を守るためにも、原発の運転は絶対に認めないでほしい」と裁判長に訴えました。

(「しんぶん赤旗」2025年8月23日付より転載)

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