共に生きる 議席のバトン受け継ぐ 南アで障害者支援→つくばみらい市へ 大兼政友介さん
「議席を空白にするわけにはいかないから私がやろう」―。茨城県つくばみらい市で、障害者の生活支援員として働いていた大兼政(おおかねまさ)友介さん(44)は昨年、つくばみらい市議選(1月28日告示、2月4日投票)で日本共産党として出馬することを決意しました。「政治の使命は人々に希望を届けること」。その視線は市民に真っすぐ向けられています。
(遠藤寿人)
大兼政さんが、子育て世帯の多い地域で「学校給食の無料化を」とマイクで訴えると、下校中の子どもたちは、「給食だ、給食だ」とはしゃぎ出します。高齢世帯の多い地域では、加齢性難聴者への補聴器の補助制度創設などを訴え、支持を広げています。
日本共産党のつくばみらい市議団は、間宮美知子さん(77)と古川よし枝さん(72)の2人です。間宮さんが引退を表明し、大兼政さんに後継者の白羽の矢が立てられました。
「共産党はクリーンで不正に加担しない」と大兼政さんが入党したのは2020年。間宮さんの勧めで、大阪府から、つくばみらい市に移住した年です。
つくばみらい市で障害者のグループホームで働きながら、「『憲法9条』つくばみらいの会」の活動や間宮さんの市議活動を支えてきました。
間宮さんは自閉症の人の支援を海外でも行い、大兼政さんが働く社会福祉法人で2人は知り合いました。大兼政さんは間宮さんの影響で17年、青年海外協力隊員として南アフリカに渡ります。スーパーはもちろん、街灯もない、水も出ない、道路は舗装されていない、言葉も通じない村に日本人1人。障害者デイケアセンターで、音楽や図工などのプログラムを作成して自閉症児や知的・身体障害児者を支援しました。
そんななか、新型コロナウイルスの影響で南アフリカの生活が困難になり、間宮さんに相談。「関東の田舎に来たら?」と移住を勧められました。
“新しい風”期待
大兼政さんの演説を聞いた女性(50)は、昨年4月につくばみらい市に引っ越してきたばかり。「すごく優しそうな人。全く環境が違う中で生きる勇気はすごい。“新しい風”じゃないかな」と期待を寄せます。
共産党の佐藤正剛・県南部地区委員長(66)は、「国際色豊かな人。障害のある人たちとかかわりをつくり、共産党の根本理念『人権を守る』という基本の仕事をしてきた人。心強い」と評します。
大兼政さんが頼りにしているのは、8期目を目指す古川さんです。古川さんも、大兼政さんは「今までにないような希望が持てる」と話します。
市議選は、定数18に対して24人が立候補を予定。地縁血縁で票が固まるのが農村地帯です。一方、都心と45分で結ぶ、つくばエクスプレスの沿線開発で人口が急増。4年前より1,400人増えています。「そうした“新住民”にいかに食い込むか。要求をつかんでいかなければ」と古川さん。
スピーチに定評
大兼政さんは週3回の朝立ち宣伝、「折り入って作戦」など、市議選に向けスケジュールがぎっしり。落ち着いてゆっくりのスピーチは定評があります。間宮さんは「自信が出てきたね」と語ります。
大兼政さんは、「2議席を私の代で落とせない。冷たい社会を変えたい」と語ります。「私が間宮さんから受けるこのバトンは未来の子どもたちへのバトンです。古川さんとともにみなさんの声をまっすぐに市議会に届けていけるよう、政治が市民に希望を届けていけるように精いっぱい、頑張ります」。
(「しんぶん赤旗」2024年1月23日付より転載。政策・プロフィールはこちらから)