施工不良 原電に苦言 東海第2原発の周辺自治体首長

日本原子力発電東海第2原発(茨城県東海村)をめぐり、周辺30キロ圏内の15市町村でつくる「東海第2発電所安全対策首長会議」の会合が11月20日、村内で開かれました。

座長の高橋靖水戸市長は、「防潮堤工事の施工不良について、安全協定上の報告義務はないが、住民の不安や心配は当然で大きな事案。きちんと報告をしてほしかった。原電にも丁寧な説明を求める」と主張。
今年4件も生じている火災にも、防災意識に不安を感じると厳しく指摘しました。

会議は非公開で、発電所の「安全性向上対策工事」の説明を受け、発電所内の工事現場を視察。過酷事故時の県の拡散シミュレーションの説明と質疑応答、市町村間の意見交換を行いました。

会合後に高橋市長は、「施工不良部分は車窓から説明を受けて確認し、なんとなく状況は分かった。重大という判断はできないが大きな問題だ」と指摘。

原電の坂佐井豊・東海事業本部長は、「自治体からの厳しいご意見は受け止める」と発言。施工不良への対応は「何もしていない」状況にもかかわらず、補強で対策を取ることで「来年9月の工期は変えない」と述べました。

(「しんぶん赤旗」2023年12月2日付より転載)

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