原電、安全軽視で工事 塩川鉄也議員 東海第2原発の堤防巡り質問 衆院内閣委
日本共産党の塩川鉄也衆院議員は11月17日の衆院内閣委員会で、日本原子力発電東海第2原発(茨城県東海村)の防潮堤工事の施工不良について、原電は説明責任を果たさないまま工事を強行しようとしているとし、原子力規制庁の認識をただしました。
塩川氏が、原電の規制庁への説明についてただすと、規制庁は、4月に鋼製防護壁の北側基礎で鉄筋カゴが(基礎に届かず)上方で高止まりし、6月には南側基礎部分のコンクリートの未充填と鉄筋の変形が、8月には北側基礎部分でもコンクリートの未充填鉄筋の変形があったことを確認したと答弁しました。
塩川氏は、原電が施工不良を公表したのは共産党茨城県委員会が告発した10月16日で、内容も南側だけだったとして、「6月に把握してから4カ月たっている。おかしいではないか」と強調。原電は北側には言及していないと追及すると、規制庁の古金谷敏之緊急事態対策監は、「公表の有無は事業者の判断だ」と述べるにとどめました。
塩川氏は、「原電の姿勢は不誠実で、隠ぺいだ」と厳しく批判し、原電の報告書の提出を要求。規制庁は「事業者の判断で公表は可能」だと答えました。
また、原電が8日の東海村議会で、北側基礎の鉄筋カゴの高まりを「問題ない」、「工事を再開している」としたことを規制庁は了解したのかとただすと、古金谷氏は、「耐震性能等の観点から対応が必要な問題だ」、「(了解の)判断はしていない」と答弁。
塩川氏は、「原電は重大な施工不良を住民にも知らせず、工事最優先で安全を軽視する姿勢だ」として、規制庁がお墨付きを与えてはならないと主張しました。
(「しんぶん赤旗」2023年11月20日付より転載)