水戸市民会館 整備支出差し止め訴訟 「渋滞予測せず」市側認める 「地権者転出ありき」も

水戸市が進める市民会館の整備が、地方自治法などで定める「最少経費原則」に違反するとして、住民が事業費の支出差し止めと高橋靖市長への損害賠償を求めている裁判の市側の証人尋問が3月2日、水戸地裁(廣澤諭裁判長)で開かれました。

尋問は、前回の住民側に次いで2回目。市側は市長公室長に加え、市街地再開発事業にともなう事業計画の認可に関わった都市計画部長や市民会館整備課長補佐ら市幹部が出廷しました。

来館者の駐車場探しで渋滞への懸念を主張していた住民側に対し、海老澤佳之課長補佐は、「渋滞予測は行っていない」と証言。あくまで渋滞を起こさせないことが大事だと述べ、利用者に向けた広報や周知に努めるなどと釈明しました。

土地の権利変換をめぐり、立ち退きを余儀なくされた地権者との交渉で、これまで市が「転出ありきではなかった」と主張していたことについて、住民側は、市議会特別委で「市は全ての権利床を取得する姿勢で臨む」などと説明していたと主張。これを認めた加藤久人都市計画部長に対し、住民側の鈴木裕也弁護士は「市が地権者の転出ありきで進めていたことは明らかだ」と指摘しました。

(「しんぶん赤旗」2023年3月3日付より転載)

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