家族農業を大切に 紙智子参院議員が酪農家訪問 茨城・石岡

日本共産党の紙智子参院議員は1月19日、茨城県石岡市の酪農家を訪れ、乳牛飼育や酪農経営、国内農業について意見交換しました。共産党の江尻加那県議、小松豊正市議が参加しました。

乳牛の飼育状況についての説明を聞く紙氏、江尻氏、小松氏

乳牛の飼育状況についての説明を聞く紙氏、江尻氏、小松氏(左2人目から)=1月19日、茨城県石岡市

筑波山麓に位置し、豊かな自然が広がる八郷地区。有機農業、果樹栽培が盛んな地域です。この地域で「石岡鈴木牧場」を経営する2代目の鈴木昇さん(74)が案内しました。

獣医だった鈴木さん。「牛の健康を第1に、良い餌をあげることにこだわっている」と語ります。飼育する乳牛は三十数頭。1頭あたりの飼育面積を広くすることで、乳牛の負担を減らすことを重視しています。「頭数があまりに多いと病気にもなりやすい。控えめにやっていて、その方が牛の負担も少ない」。

耕作面積は9ヘクタールで、牧草や飼料となるトウモロコシは自給。餌となる飼料づくりは“土”にこだわり、試行錯誤を繰り返した発酵堆肥を活用しています。

伐採した樹木を織り交ぜ、「山の成分に近くなり、牛に優しい。飼料を自給できるのと、ソフトな香りで牛舎独特の臭いもありません」。
ヨーグルトやチーズなどの加工品も手掛け、安全・安心な食品を求める消費者ニーズの変化にもかみ合い、好評です。

同時に、国や県が進める農業の大規模化に警鐘を鳴らします。「利益の追求、競争だけでは農村の崩壊につながる。家族農業を大切にして地域を守らなければ」─。

紙氏は北海道で進む、飼育頭数を抑えて化学肥料などを極力控える“マイペース酪農”の取り組みに触れ、「人にも牛にも環境にも優しい酪農がカギですね」と力説。同時に、国の農業予算の大幅確保、大規模経営だけではなく、中・小の農業経営も支援の対象にすべきだと応じました。

「地域で良い循環をつくることで、持続可能な酪農をめざしたい」─。鈴木さんの挑戦は続きます。

(茨城県・高橋誠一郎)

(「しんぶん赤旗」2023年1月20日付より転載)

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