県議選12月2日告示 かつてない大激戦 3氏全力 岸田政権に「ノー」 命守る茨城県政を

各党が来年の統一地方選の前哨戦に位置付ける茨城県議選(12月2日告示・11日投開票)の告示まで2週間をきりました。岸田自公政権にノーの審判を下すと同時に、県民の命を守る県政を取り戻す選挙です。

(茨城県・高橋誠一郎)

県議会は、保健所削減など医療を切り捨て、常陸那珂港開発(事業費6800億円)をはじめ、大型開発優先の大井川和彦知事とともに、自民・公明・国民・立民などの「オール与党」が悪政の推進役になっています。

県予算に唯一反対し、「税金は暮らし・福祉・教育にこそ」と求めてきた日本共産党が伸びてこそ、県政は変えられます。

共産党は水戸市・城里町区とつくば市区で現有2議席の絶対確保と、前回僅差で失った取手市区の議席奪還に挑みます。

地域によっては定数の2倍に迫る立候補者が見込まれ、かつてない大激戦の様相。県党は「客観的にみれば党の議席を失いかねない」情勢とみて、大規模宣伝と、担い手広げを一体にした支持拡大の飛躍を呼びかけています。

ぶれずに再稼働反対 江尻かな県議 水戸市・城里町区(6)

日本共産党の江尻かな県議(49)=現=が3期目をめざします。
「子育て・しごと・老後に希望を」と訴える江尻氏。18歳までの子ども医療費の補助を求め続け、全ての市町村で実現しました。
「二度と子どもや故郷を危険な放射能にさらしたくない」と、東海第2原発(東海村)の再稼働ストップでぶれない議席です。

選挙区は過去最多の11人が定数6を争う大激戦。自民現職2人、公明現職1人、立民現職を今回は擁立を見送る国民民主と連合が支援。
前水戸市議や前参院議員秘書など自民系の有力新人3人、無所属2人が立候補。昨年の参院比例(水戸・城里)で共産票の1.8倍を獲得した維新は、昨年衆院選に出馬した女性新人を初めて擁立。
“野党ポーズ”を演出する一方で、「県議会で自民党と切磋琢磨する」などと補完ぶりをあらわに。

各党ともに宣伝・戸別訪問などを活発化するとともに、他陣営は「江尻さんは組織があるから大丈夫」などと切り崩しを図っています。文字通り1票を争う大接戦です。

党と後援会は1万6000の得票目標を掲げ、大量宣伝とともに8,000人の有権者に候補者リーフと支持を広げる「折り入って作戦」を推進。江尻氏の魅力と実績を伝え、52年連続で守ってきた県都の議席の絶対確保をめざします。

県立高校 新設求める山中たい子県議 つくば市区(5)

日本共産党は山中たい子県議(71)=現=が5期目に挑みます。

定数5に8人が立候補を表明。自民現職3人に加え、新旧交代の公明新人、「つくば市民ネットワーク」は女性元市議の新人を擁立し、立民が推薦。前回トップ当選の市議と、維新から今夏の参院選に出馬した無所属女性新人も表明するなど、有力8人による大混戦の様相です。

つくばエクスプレス(TX)の沿線開発で人口が急増するつくば市。
県立高校の新設を求める声が高まり、1カ月間に7,000人を超える署名が集まるなど住民運動が急速に広がりました。11月の定例県議会で請願署名の紹介議員となったのは山中氏ただ1人。
「沿線開発を進めてきた県の責任で高校新設を」と求めましたが、県議会常任委員会はまともな審議をせず継続審査とし、事実上の廃案にしました。

来春に予定していた県立医療大と付属病院(阿見町)の独立行政法人化も山中氏が中止を求め、県立のままでの存続が決まりました。県民とともにたたかい、医療・福祉を守ってきた議席です。

得票目標は1万3000で、前回参院比例票の2倍化が必要。公明は市外の創価学会関係者も支援に入り、小集会で支持固めに躍起。自民現職3人は、戸別訪問で保守票の掘り起こしに奔走しています。

つくば市選対は県民の願いを届ける唯一の議席である党の役割を押し出し、対話・支持拡大と担い手づくり、得票目標の突破を呼びかけています。

ジェンダー平等力説 佐野太一氏 取手市区(2)

定数2で自民現職2人に挑みます。統一協会問題、物価高騰・コロナ対策で岸田自公政権がまともな手を打たず、国民の不信が高まる下で自民党と正面からたたかう“自共対決”の構図。日本共産党は佐野太一氏(54)=新=が、前回462票差で失った党議席の奪還をめざします。

取手選挙区は人権・人命軽視の発言で辞任した葉梨康弘前法相の地元。
葉梨氏との「連名ポスター」を掲げていた県議現職2人は、ポスターはがしと別議員の写真を重ね張りするなど“葉梨隠し”に躍起。自民党への批判が渦巻く下で、国政・県政ともに政治を変える共産党の役割が高まっています。

佐野氏は産業カウンセラーとして働く人のメンタルヘルスに向き合ってきました。「県民一人ひとりの尊厳が大切にされる茨城を」と、ワンストップ窓口の設置、ハラスメントや性暴力被害者の支援充実を訴え。

10年以上にわたり「生理の貧困」問題に関わってきた経験から、「ジェンダー平等は社会全体で取り組むべき問題」と力説し、学校や公共施設のトイレへの生理用品常備を公約しています。

党と後援会の得票目標は1万2000。「茨城3区市民連合」の推薦も受け、幅広い市民との共同で「自民2議席独占を許すな」の声を結集し、勝利をめざします。

(「しんぶん赤旗」2022年11月21日付より転載)

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