脳脊髄液減少症 県内に拠点病院を 家族らが県に要望書
交通事故やスポーツなどの衝撃で脳脊髄液が漏れ続け、慢性的な頭痛やめまいなどが生じる「脳脊髄液減少症」について、患者の家族らが10月12日、茨城県の大井川和彦知事宛てに患者の実態把握などを求める「要望書」を手渡しました。
日本共産党の山中たい子県議、江尻加那県議、立憲民主党の設楽詠美子県議が同席。吉添裕明・県保健福祉部長が応対しました。
要望したのは、県西地区在住で「脳脊髄液減少症」をもつ長男と暮らす母親の篠原克子さん。長男は高校時代、通学中の交通事故で脳脊髄液減少症と診断されました。
篠原さんによると、長男は日常的な頭痛やめまい、耳鳴りに悩まされ、県内に治療できる医療機関がないため、静岡県まで通院していました。
県に対し、▽患者の実態調査や相談、援助体制の確立▽県内で拠点病院を設置し、検査・診断・継続的な治療ができる体制整備▽専門医の確保・育成─の3点を申し入れました。
篠原さんは、治療の「ブラッドパッチ療法」が保険適用外で高額な上、リスク面から治療を行う病院が全国でも限られていると指摘。「県内に1つくらいは拠点病院を設置してほしい」と求めました。
江尻県議は、「県として実態把握につとめ、適切な支援体制をつくってほしい」と求めました。
(「しんぶん赤旗」2021年10月16日付より転載)