茨城・東海村長選が告示 9月5日投票 東海第2原発 再稼働させない いぬいやすよ氏

茨城県東海村長選(9月5日投開票)が8月31日告示され、「いのち輝く東海村の会」の元茨城大学教授、いぬいやすよ候補(67)=無所属新、日本共産党自主支援=が第一声をあげました。
3期目をめざす現職の山田修氏との一騎打ちです。

 第一声をあげるいぬい候補

第一声をあげるいぬい候補=8月31日、茨城県東海村

いぬい候補は、運転開始から40年を超える東海第2原発について、「命と暮らしを破壊する巨大リスクを背負う選択はしてはならない」と述べ、再稼働ストップを力説。
また、原子力防災が村の重要課題にもかかわらず、村の地域防災会議などに女性が一人も入っていないと述べ、「政策の検討・決定機関への女性登用を進める」、「女性の声を村政にいかす」と強調。
▽希望する村民への無料のPCR検査実施▽減収企業・個人への村独自の補償―などの公約を訴え、「誰一人取り残さず、安心して住み続けられる村づくりをめざす」と呼びかけました。

日本共産党の大名美恵子村議と無所属の阿部功志村議、村上達也元東海村長、二見伸明元公明党副委員長らが応援に駆け付けました。

老朽原発 廃炉迫る首長必要

9月5日投開票の茨城県知事選と東海村長選は、日本原子力発電が東海第2原発(東海村)の再稼働をめざす中でたたかわれる選挙です。

東海第2原発は運転開始から42年が経過し、周辺30キロ圏内には全国の原発で最多の94万人が住む首都圏唯一の老朽原発。東日本大震災の津波で被災以降、停止しています。

原発専業会社の原電は、2022年12月をめどに防潮堤建設などの再稼働工事を推進。
原子炉施設の運転に必要な「使用前検査」も並行して進めており、2022年秋にも核燃料を入れ、原子炉を起動し再稼働をめざす緊迫した情勢です。

水戸地裁は3月、避難計画の不備などを理由に東海第2原発の運転差し止めを命じました。原電は判決を不服として東京高裁に控訴しています。

原電は、再稼働の際に「実質的に事前了解を得る」とする協定を立地周辺6市村などと締結しており、再稼働には県や立地周辺自治体の同意が必要です。
今回選ばれる首長が任期中に再稼働への同意を求められる可能性が大きく、再稼働ストップへ原電に廃炉を迫る知事・村長が必要です。

(茨城県・高橋誠一郎)

(「しんぶん赤旗」2021年9月1日付より転載)

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