東海第2原発再稼働 賛否県民に問え 「いばらき原発県民投票の会」 共同代表3氏の思い

日本原子力発電東海第2原発(茨城県東海村)再稼働の賛否を県民に問うべきだとして、県内の市民団体「いばらき原発県民投票の会」が5月25日、「県民投票条例」制定に向けた本請求を県に行いました。
県民投票の実現に向け、活動を続けている「県民投票の会」の共同代表3氏に思いを聞きました。

(茨城県・高橋誠一郎)

「いばらき原発県民投票の会」の共同代表、徳田太郎氏、姜咲知子氏、鵜沢恵一氏

「いばらき原発県民投票の会」の共同代表、徳田太郎氏、姜咲知子氏、鵜沢恵一氏(左から)=5月25日、水戸市


8万6703人分─。県民投票の実施を求めて全県から集まった署名数です。直接請求に必要な約4万9000人分を1.78倍上回りました。
県民投票の実施には、県議会での条例案の可決が必要です。

「国策」ではなく

「県議会に一番望むのは、きちんと審議されること。再稼働の議論やエネルギー政策に意識がいってしまうと、『結局は国策だ』という話になるが、そうではない。重要なのは、再稼働の賛否という政策決定の過程に、県民の意思を直接聞く機会を設けるか否かだ」。
「県民投票の会」の徳田太郎共同代表は、県民投票の意義を強調します。
「再稼働に反対の意思を表明したくて賛同された方もいれば、賛成の声を届けたいと協力してくれた方もいた。色々な方が署名してくれて、得難い経験だった」。
スーパーでの街頭活動や個別訪問で対話を重ね、署名を積み上げました。
姜(かん)咲知子共同代表は、「同世代のお母さんは、普段政治を気にしてはいるけれど、意見を言う場があまりない。そういった人たちの思いや言葉が集まって、何度も泣きそうになった。自分の思いや意見を反映してほしいという一筆だということを知ってほしい」と力説します。
鵜沢恵一共同代表は、「集まった署名を県議会や県知事にどうバトンタッチするかが大切。9万人の署名が集まったことに重みを感じているし、次のステージにつなげたい」と意気込みます。

前向きに検討を

「県民投票条例」案は、来月8日に始まる定例県議会に大井川和彦知事の意見が付託された上で上程され、審議が始まります。
県によると、県民からの直接請求で条例案が審議されるのは、1972年の「乳幼児医療費助成条例」以来2例目。
徳田共同代表は、茨城県で県民投票を実現することに大きな意味があるとし、「知事や県議に前向きに検討してほしい」と話しています。
(「しんぶん赤旗」2020年5月30日付より転載)

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